第5話飲みサー

僕は大学に1年だけ在籍していた。

冬には中退して、働き始めた。どう穿った見方をしても順風満帆の人生ではない。

家族都合で、自主退学したのだ。


さて、大学の入学式が終わると、バカな先輩らが、サークルのチラシを配る。僕は両手で抱えて、駅で紙袋に詰めて帰宅した。

僕は、弓道部だったから大学では、ザ・スポーツをしたかった。

だから、草野球サークルに入った。

野郎ばっか。

ゴリラ見たいな女子マネージャーがいたが、先輩の彼女だった。


連日、飲み会があった。良かったのは先輩の奢りと言う事。

野球なんて、半年間で1回しかしてない。ずっと飲み会。

いわゆる、飲みサーだった。

今日はビールを飲んで帰宅したが、大学生の時はビールが苦手だった。

ビールは必ず吐くモノだった。これが、飲める様になれば、大人の証拠だと思っていたが、無理だった。


居酒屋でハシゴして、3次会は必ず先輩のアパートで、大五郎を飲まされた。

あの、まっずい焼酎。ケミカルな味しかしない。しかし、僕は酒が強かったのでガブガブ飲んでいた。

そう過ごしていたら、サークルでゴレンジャーの一員となった。

サークル内で酒の強いトップ5に入ったのだ。


今の季節になれば、思い出す。

バイトに励み、お金を貯めて飲む。野球サークルはとにかく女子が居なかったので、自分達でサークルを作った。教育学部のヤツが女の子8人を勧誘した。

長野の白馬に旅行に行ったのは夏。

夜は夏なのに、寒かった。やはり、寒い地域なのだろう。

スキー場に行って、草スキーをしたがDA PUMPのデビュー曲ばっかりリピートされていて閉口した。

夜は、焚き火をして酒を飲んだ。


経済学部のヤツが、

「うわっ、羽弦、カッコいい!」

と、言う。何をか?と尋ねるとタバコを吸い、煙の吐き方がカッコいいと言うのだ。それたから、そつも喫煙者になった。

大学生って、高校時代全てを大学受験に掛けてきた。だから、入学すると気が緩むのだ。

夏にビールを飲むと思い出す青年期。退学後、しばらくしたら、ビールが美味しく感じる様になった。

あの時の青年が、こんなデブのオッサンになるとは……。


連距離恋愛も破たんし、新しく彼女を作ったがあっけなく破たんし、今は別居の夫婦生活。

未だに僕の人生は、波乱含みの合戦双六。

早く、落ち着きたいなぁ〜。

でも、大学って楽しかったな。これは、とても苦しい時代でもあったが、楽しい記憶の方が多い。

大学生よ!楽しみたまえ。遊ぶぶお金は、バイトで稼ぎなさい。

オジサンからの忠告です。

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