幕間

 僕は海を眺める。

 

 静かな波の先に僕が居た土地は無く、綺麗な海と空が広がるばかり。

 

 少しの間しか居なかったのに僕の見たことがない事ばかりで凄く心が躍っている。

 

 新しい暮らしにわくわくしている僕がいる。

 

 この波の向こうに居た僕はこんなにも不安要素もなく、心躍るようなことに出会ったことはないだろう。


 色んな人が居て、皆が楽しそうに笑っていた。


 怖い噂しか僕は聞いて来なかったけど、皆は優しそうで幸せそう。


 ここに来てよかったと僕は思う。けれど、波の向こうで僕は捜索されてるだろう。


 きっとここまで探しにくるかもしれない。


 そしたらここにいる皆、特に篠原さんと佐藤さんに迷惑が掛かってしまうだろう。


 本当にずっと此処に居ていいのだろうか。


 僕の気持ちは波のように揺らいでいく。

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