第37話「夏祭り③ 君の花火」
俺たちは電車を降りた。予想を超える人の多さだった。たしかに電車の中も狭くてギュウギュウ詰めだったけど他の車両の人もたすと凄い数だった。
(彩華)「ものすごい人だね」
(修)「だよね。凄い数だ」
駅から会場までは少し距離があるので俺と彩華は歩いて向かった。
(彩華)「ねぇ、手つないでもいい?」
(修)「あ、え?」
(彩華)「いいよね?」
(修)「は、はいどうぞ」
(彩華)「はぐれると困るから」
(修)「そ、そうだよね〜」
(彩華)「それに私が修くんと手を繋ぎたかったから」
(修)「そ、そっか」
く、くそかわいい。心臓の鼓動がうるさい。彩華に聞こえてしまうくらい大きい音でなっている気がした。どうしよう手汗とか大丈夫かな?引かれたらどうしよう?
(彩華)「さぁ、行こう!」
そう言って彩華は俺の手をぎゅっと強く握って引っ張った。
(修)「ちょっと、待ってよ」
(彩華)「花火が逃げちゃう!」
(修)「花火は逃げないでしょ」
(彩華)「女の子を論破しちゃいけません!」
(修)「は、はい!すいませんでした」
(彩華)「よろしい」
俺たちは花火大会の会場に着いた。たくさんの屋台が出ていた。
(彩華)「屋台の量凄いね」
(修)「去年より絶対に多いよな」
(彩華)「去年私来てないから分からない」
(修)「そうなんだ。彩華なら色んな人に誘われてそうだけど」
(彩華)「そうだね、たくさん誘われたけど好きでもない男とは来たくないからね」
(修)「そ、そうすか」
(彩華)「うわ〜、修くん顔赤くなった」
(修)「なってないし」
(彩華)「かわいいな〜、最高の花火が見れました」
(修)「…………」
浴衣からか?なぜかいつもの2倍くらい可愛く見える。
(彩華)「あれ買おうよ!」
そう言って彩華はかき氷の屋台を指した。
(修)「いいよ」
(彩華)「やったー」
俺たちはかき氷の屋台の行列にならんだ。結構はやく進んだ。
(彩華)「こういうところはやっぱかき氷でしょ」
(修)「そうだな」
(彩華)「修くんのかき氷おいしそうだな〜、ひと口ほしいな〜」
(修)「いいよ」
俺はかき氷を彩華に差し出した。
(彩華)「違います。私は修くんに「あーん」してほしいのです」
(修)「あ、あーん!?」
(彩華)「ほらほらはやくはやく!」
そう言って彩華は口をあけた。やっばい、めっちゃドキドキするーーー!!!!
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