第34話「ハプニング2」


 俺はベランダに干してあるバスタオルをとって風呂場に向かった。


(修)「バスタオル持ってきたぞ」

(奈津美)「あ、ありがとう。そこに置いておいて」


 俺はバスタオルを置いてその場を去った。テレビでドラマを見ていると奈津美が風呂から上がってきた。


(奈津美)「お風呂おさき」

(修)「はいよ」

(奈津美)「え、そのドラマ今日だったの?」

(修)「うん、だって今日月曜日だからな」

(奈津美)「今回が最終回だよね?」

(修)「うん、最終回」

(奈津美)「なんで言わないの?」

(修)「お前が見てたなんて知らなかったし」


 奈津美は露骨に落ち込んでいた。


(修)「まぁ、そのうちどこかの配信サイトではやるさ」

(奈津美)「リアルタイムに価値があるの!」

(修)「おう、そうか。俺は風呂入ってくるわ」

(奈津美)「あ、お湯飲むなよ」

(修)「飲むわけねえだろ」

(奈津美)「どうだか?」


 そんなバカな事を言っている奈津美を無視して俺は風呂に向かった。脱衣所に入るとそこにはパンツが落ちていた。もちろん俺のではない。完全に女性が履くものだ。それに母さんのものでもないはず、ということは………奈津美のだ!!!!

どうしよう?こんなの持ってるところ見られたら絶対に誤解される。たがらといって「落ちてたぞ」なんてそこら辺の落とし物感覚で持っていけるようなものでもない。よし、気づかなかったフリしよう。そしたらアイツが自分で気づいて勝手にしまうだろう。そう思って俺が風呂に入っていると脱衣所の方で音がした。そして風呂のドアがコンコンコンと叩かれた。奈津美だろう。


(修)「なに?」

(奈津美)「ね、ねぇパンツ盗んでた?」

(修)「はぁ?なんでそうなるんだよ?」

(奈津美)「だってパンツないな〜と思って探してたら今脱衣所にあったらから盗んだのかな〜って」

(修)「そんなことするわけないだろ。誤解だ」

(奈津美)「そう、疑ってごめんね」

(修)「ああ、わかってくれたならいいよ」

(奈津美)「ところでさ」

(修)「なによ?」

(奈津美)「見た?」

(修)「全然見てない」

(奈津美)「嘘だ」

(修)「いや〜、多分見てない」

(奈津美)「そんなわけない。だってこんな見えるところにあったんだよ。見えてないはずがない。正直に言って。見たんでしょ?」

(修)「は、はい見ました」

(奈津美)「絶対に誰にも言わないでね」

(修)「あたりまえだろ。俺は人のパンツの色がピンクだったことなんて誰にも言わない。」

(奈津美)「おい!口にするなー!!!」

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