第35話「夏祭り!」


 俺が今日起きるとスマホがなっていた。誰からかと思ったら彩華からだった。俺は電話に出た。


(修)「おはよう」

(彩華)「おはよう」

(修)「どうしたの?」

(彩華)「今日隣町で花火大会があるみたいなんだけど一緒に行きたいな〜って思って」

(修)「あ〜、あの毎年やってるやつね」

(彩華)「そうそう、一緒に行こうよ」

(修)「うん、いいよ」

(彩華)「じゃあ、今日の15時に駅集合でいい?」

(修)「おっけー」

(彩華)「楽しみにしてるから」


 彩華はそう言って電話をきった。俺が女子と2人で夏祭りに行けるなんて………こんな日が来るなんて想像もしなかった。


(奈津美)「修起きてるの?」

(修)「うん、今起きた」

(奈津美)「朝ご飯できてるからはやく顔洗って来て」

(修)「はーい」


 俺は顔を洗ってリビングに向かった。


(修)「おはよ〜う」

(奈津美)「おはよう。朝ご飯そこにあるから」

(修)「ありがとう」

(奈津美)「ねぇ、今日って何の日か分かる?」

(修)「なんかあるか?」

(奈津美)「隣町の花火大会だよ。毎年修の家族と私の家族で行ってたじゃん」

(修)「そうだな。でもそれ小学校の頃の話だろ。中学になったら奈津美は奈津美の友達と俺は俺の友達と行ってただろ?」

(奈津美)「まぁ、でも今年みんな忙しくて行けないらしいの。だから一緒にいかない?」


 えーっと、どうしよう?俺はさっき彩華と一緒に夏祭りに行く約束をしてしまった。だから断るべきなのだろうか?それとも彩華に聞いて一緒に行くのがいいのか?


(修)「ごめん、奈津美とは行けない」

(奈津美)「そっか〜、誰と行くの?」

(修)「彩華と行く」

(奈津美)「は?」


 なんか空気が一気に変わった。



 ✴✴✴✴✴✴✴ 


 

 俺が彩華との花火大会の準備をしていると後ろから視線を感じる。


(修)「奈津美なにしてるの?」

(奈津美)「全然私の事は空気だと思ってくれていいから」

(修)「いや、今から着替えるから部屋から出てけ」


 俺はなんとか奈津美を部屋から追い出して着替えた。着替えも終わって一旦リビングに行くと奈津美が俺のことをジッと見てきた。


(修)「なんだよ?そんなジッと見て」

(奈津美)「そんなオシャレしなくてもいいんじゃない?」

(修)「いや、女子と2人で夏祭りに行くんだぞちょっとのオシャレくらいするだろ」


 そろそろ時間にもなるし女子との待ち合わせでははやめに行くのが鉄則だから家を出ようとした。


(奈津美)「行くなー!」

(修)「離せー!遅刻するとカッコ悪いだろ」


 またここでも俺はなんとか奈津美を振り切って家を出た。俺はまだ美咲の事を忘れれるわけではない。でも別れがあるから次への出会いがあるんだ。って昨日のドラマでやっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る