第32話「お墓参り」


 あの日のことや美咲とのことを今でも夢に見る。お盆なので俺と奈津美は一緒に美咲のお墓参りに行くことにした。俺と奈津美は毎年お盆と命日に一緒に美咲のお墓参りにいっている。


(奈津美)「もう何回もここにきてるけど未だにここに来ると違和感あるんだよね」

(修)「だな、俺も何回来ても慣れないわ」


 俺たちが歩いていると反対側から彩華が歩いてきた。


(彩華)「あれ?修くんと奈津美ちゃん」

(修)「彩華も来てたんだ」

(彩華)「うん、ひいおじいちゃんのお墓参りに来たんだ」

(奈津美)「私たちは交通事故にあった幼馴染のお墓参りに来てるんだ」

(彩華)「修くんと奈津美ちゃんにもう1人幼馴染がいたんだ。会ってみたかったな〜」

(修)「もし彩華と美咲が関わってたらどんな感じだったんだろうな?俺も見てみたかった」

(奈津美)「たしかに、私も見てみたかったな〜」

(彩華)「写真とか無いの?」

(奈津美)「あ〜、あるよ」

(彩華)「え、見たいみたい!」


 奈津美が彩華に美咲の写真を見せた。奈津美が見せた写真は俺と奈津美と美咲の3人の写真だった。


(彩華)「3人仲良さそうないい写真だね」

(奈津美)「でしょでしょ、めっちゃ仲よかったの」

(彩華)「それにこの美咲ちゃん?優しそうな人だよね」

(修)「そう見えるだろ?」

(彩華)「うん、そう見える」

(修)「優しいときはあったけどそれ以上に喧嘩したよ。しかも今思うとそんなちっぽけなことでって。でもなぜか奈津美と美咲は喧嘩してなかったんだよな〜」

(彩華)「そうなんだ。以外」

(修)「でも、今思うと奈津美に限らず俺以外には優しかったかな」

(彩華)「修くんってさ美咲ちゃんのこと好きだったでしょ?」

(修)「え、エスパー」


 俺が美咲のことが好きなのをこの一連の会話だけで見抜くなんてこの人凄いな。


(彩華)「見てれば分かるよ。だって美咲ちゃんのこと凄く楽しそうに話してるもん」

(奈津美)「卒業式の直前とか何回相談されたことか」

(彩華)「相談って?」

(奈津美)「修が美咲に告白しようとしてたからその事で」

(彩華)「えーーー!そうだったの!?」

(修)「まぁ、そんなこともあったな」

(彩華)「じゃあ、まずはその美咲ちゃんから修くんの1番の座を奪わないといけないね。そっか〜 だからあんなに好きって言っても付き合ってくれなかったのか〜、納得納得。」

(修)「べつにそんなんじゃねえし」

(奈津美)「まだ好きなくせに何言ってんの?」


 俺がまだ美咲の事を好きなのは本当だ。


 

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