第31話「もう1人の幼馴染2」


 俺と奈津美は近くの大きな病院に向かった。俺たちの街には大きな病院が少なくここに搬送されているのではないかと思った。


(修)「すいません、ここに山下美咲という高校生はいますか?」

(病院の人)「はい、今確かめますね」


 そう言って調べてくれた。


(病院の人)「今朝交通事故で搬送されていますね」

(奈津美)「美咲に会うことはできるのでしょうか?」

(病院の人)「病室にご案内します」


 病室の人が俺たちを美咲の病室に案内してくれた。


(病室の人)「こちらの病室になります」

(修、奈津美)「ありがとうございます」


 俺たちは一度お互いを見合って病室に入った。ベットに美咲がいた。


(修)「美咲」

(奈津美)「美咲」

(修)「美咲」

(奈津美)「美咲」


 俺と奈津美が何回美咲と呼んでも美咲が返事をすることも目を開くこともなかった。俺と奈津美はずっと美咲の手を握っていた。そして少しすると美咲のお父さんとお母さんが病室に入ってきた。


(美咲の母)「あら、修くんと奈津美ちゃん来てくれたんだ。ありがとう」

(修)「いえいえ、美咲は大丈夫何ですか?」

(美咲の母)「今お医者さんが調べてくれてるんだけど結構厳しそうなの」


 それから俺たち4人はずっと美咲の側にいた。何時間いたのか分からない。俺は美咲の側にいる時に美咲との思い出や美咲と奈津美とかとの思い出を一つ一つ思い出した。小学校の頃一緒に夏祭り行く事になってたけど急用で美咲が行けなくなってギャンギャン泣いてたっけな。かくれんぼで隠れるのが上手すぎて全然見つからなかったっけな。俺は男子なのに3人おそろいのランドセルにしようとか、去年もバレンタインにチョコくれたよな。去年バレンタインにチョコもらったとき家で飛び跳ねて喜んだこともどんどんと頭の中に記憶が蘇ってくる。すべてつい昨日のことのように。そうしていると病室にお医者さんが入ってきた。その瞬間美咲が目を覚ました。俺も奈津美も美咲のお父さんお母さんもお医者さんも驚いていた。


(奈津美)「美咲、目を覚ました」

(修)「美咲………」

(美咲)「修、奈津美来てくれてありがとう」

(奈津美)「ねぇ、死んじゃ嫌だよ。私美咲のこと大好きだから!」

(修)「美咲死なないでくれ、俺も美咲が大好きだから」


 奈津美に便乗する形になってしまったが俺の思いを伝えることができた。まぁ、美咲は告白だなんて思ってないだろうけど。


(美咲)「ありがとう。でもごめん、無理みたい。私も修も奈津美もお父さんもお母さんも大好き!みんな私の人生の最高の宝物!」


 そう言って美咲は目を閉じた。


(医師)「山下美咲さんはおなくなりになられました。」


 今思うと最後に美咲が目を開けて話せたのは奇跡だったのかもしれない。でもちゃんと告白したかったなって後悔だけは今でも残ってる。漫画やアニメみたいに学校で人の少ないところに呼び出して「好きです」って言いたかった。

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