閑話「理解してるつもり」


(奈津美)

 私は他のマネージャーのところに行ったら他のマネージャーは優秀だったので結構準備が進んでいた。安心して教室に戻るとみんなが何か話している。その話は今年バスケ部がインハイに出ることだ。修はその中心にいる。だって修はあんなだけどうちのチームでレギュラーを張っている。同期や1個上の先輩に中学時代県選抜に選ばれていた実力者をおさえてだ。私は修が部活終わりに1人で近所の公園で1人で練習しているのを知っている。多分その事は誰にも知られたくないであろうから私は見て見ぬふりをしている。


(幹也)「じゃあ、みんなで応援しに行こうぜ」


 幹也のそう言う声が聞こえた。修はみんなに期待されたり身近な人がいると力を発揮できなくなる。中学最後の全中みたいに………「やめたほうがいいんじゃない?」そう言おうと思った。でも修が止めた。


(奈津美)「修、なんで?」

(修)「なんでってお前みんなが応援しにきてくれるの止めるつもりだっただろ?」

(奈津美)「そうだけど、あんた身近な人がいると力発揮しきれないじゃない」

(修)「そうだな、中学の頃までは」

(奈津美)「でしょ、だったら」

(修)「でも、俺みんなに応援してほしい」

(奈津美)「じゃあ、インハイを捨てるってこと?」

(修)「それは違う。応援してもらっても俺が全力出せばいいだけだろ!」


 その瞬間修がいつもの2倍いや、3倍くらい大きく見えた。そっか私は修の事わかったつもりだったんだ。


(奈津美)「ごめん、みんなでインハイ戦おう!」

(修)「おうよ!」

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