第16話「貸しイチ」
海に着いた。沖縄の海は青すぎた。今まで見た海の中で1番きれいだ。男子たちの視線は女子の、いや渚さんたちの水着姿に釘付けだ。
(幹也)「いいよな〜、俺見てるだけでもいいかも」
(修)「日焼け止め忘れちゃったし俺このテントからでられないかも………」
(幹也)「すまんな修、日焼け止め部屋に置いてきてまったわ。じゃあ、俺は海入って来るわ〜」
(修)「おい、ちょっと」
行ってしまった。せっかくの修学旅行の海ボッチでテントって悲しすぎる。ついてないな〜
(彩華)「修くん、何してるの?」
(修)「ボッチでみんなを眺めてるんだよ」
(彩華)「女子の水着姿を?」
(修)「うん、そうだけど」
(彩華)「え?冗談だったのに、ちょっとショックだな〜」
(修)「え、あ、いや嘘だよ。嘘に決まってるじゃん」
(彩華)「本当っぽかったけどな〜、まぁそういう事にしといてあげる」
なんか幹也と話す感覚でサクッ爆弾を投下してしまった。やっちまったー
(彩華)「ねぇ、こんなとこで女子たちの水着見るくらいなら海入ろうよ」
(修)「でも、俺日焼け止め忘れちゃってもう少し日が落ちてきたら行くよ」
(彩華)「へぇ~、日焼け止め忘れちゃったんだ〜」
(修)「なんで嬉しそうなの?人の不幸は蜜の味的な」
(彩華)「私そんな酷い人間じゃないと思ってるんだけどな〜」
(修)「たしかに」
(彩華)「テッテレ〜ん、これ何か分かる?」
そう言って彩華は俺に日焼け止めに見せてきた。
(修)「そ、それは日焼け止め」
(彩華)「そうだね、これがどうかしたの?」
(修)「か、貸してください」
(彩華)「いいよ!早くして、海入ろうよ」
そう言って彩華は海に走って行った。彩華って本当に優しいな。女神様だ。そう思っていると彩華がピタッと止まった。大きな声で
(彩華)「あ、これで貸し1ね!」
それだけ言って彩華は海に走って行った。うん、前言撤回だ。女神様ではないかもしれない。
それから俺が海に向かった頃にはみんな色々やっていた。とりあえず彩華に日焼け止めを返さないといけないな〜、どこにいるんだろう?
(奈津美)「修も一緒にビーチバレーしようよ〜」
(幹也)「修来いよ」
でも、ビーチバレーをしているメンバーを見るとそこには彩華はいなかった。どこにいるんだろうか?
(修)「ちょっと、用事あるからそれが終わったら行くわ」
そう言って俺は彩華を探したが全然見つからなかった。まじでどこにいるんだろう?
(渚)「修くんじゃん」
(修)「渚さんか」
(渚)「何そのちょっと残念そうな反応。ちょっと傷つくんだけどな〜」
(修)「あ、いやごめん。今彩華探してるんだけどどこにいるか知らない?」
(渚)「え、告白でもするの?」
(修)「違う。ただ借りてた日焼け止めを返そうとしてるだけ」
(渚)「あー、そういう事ね。彩華軽い熱中症で今保健の先生がいるテントのところにいるよ」
(修)「わかった。ありがとう」
俺は急いで彩華のいるテントに向かった。
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