修学旅行編

第9話「班決め」

 

 高校2年生になってもうすぐ1ヶ月がたとうとしている。この1ヶ月は俺の人生で1番濃い1ヶ月だったのではないだろうか。同じクラスになったけど一言も話さないと思っていた彩華と渚さんとこんなに関わりが出来るなんて思ってもなかった。そのうち1人は俺の彼女に立候補してるわけだし人生は何が起こるか分からないものだな。色んな事があって忘れていたがあと1ヶ月くらいで高校生最大のイベントと言っても過言ではない行事が始まる。そう修学旅行だ。今日はその修学旅行の3日目にある自由行動の時の班を決める。もちろん自由に組んでいい。この班によって修学旅行3日目の全てが決まる。


「タクシーの関係から最低3人以上5人以下にしろ」


 そう説明する坂柳先生だが周りはそんなのどうでもいいと言わんばかりに騒いでいる。


「一緒の班になろうぜ!」


 幹也が一緒の班に誘ってきた。もちろんOKしたさ。でも班は3人以上だ。自分で言うのもなんだが俺は幹也くらいしか仲のいいと言える友達はいない。


(幹也)「それにしても凄い人気だな」

(修)「あー、あれね」


 渚さんと彩華だ。あの2人が仲がいいのはみんな知っている。だからあの2人は確定でその2人と一緒の班になろうと男子も女子も群がっている。


(幹也)「人気者って大変だな」

(奈津美)「そうね、人気者は大変そうね」

(修)「うわっ、奈津美か」

(奈津美)「うわっ、って何よ?」

(修)「別に何でも」

(奈津美)「あんたら2人なんでしょ?」

(修)「そうだな」

(幹也)「おう、2人だ」

(奈津美)「班は3人以上でしょ?私が入ってあげる」

(修)「お前友達いないのか?」

(奈津美)「うっさい、いるわ。ただ一緒の班になりたかっただけだし」

(幹也)「俺は全然いいぜ、修もいいだろ」

(修)「まぁ、いいよ」


 そうして俺と幹也そして奈津美と3人になったので班が組める。そして紙に班員の名前を書いていると彩華が近づいて来た。


(彩華)「私もその班に入れて」

(修)「いいよ、2人ともいい?」

(幹也)「俺は大歓迎だぜ」

(奈津美)「ま、いいよ」


 そして彩華が俺たちの班に入ったということは必然的に渚さんも俺たちの班に入った。俺と幹也はクラス中の男子から睨まれ、嫉妬の眼差しを受けた。流れ的に班が決まったら行く場所を決める。だがその行く場所が中々決まらない。俺と幹也と渚さんは決まった場所に着いて行くという姿勢をとっている。奈津美と彩華はお互い行きたい場所が違うらしく話がうまく進んでいない。そこで渚さんが提案をした。


「全員1つ行きたい場所を決めて地図にゆび指そうよ。そしたら行く場所5個になって丁度いいんじゃない?」


 中々の名案だと思った。そして全員その意見に賛成した。俺と幹也と渚さんはすぐに決まったが奈津美と彩華は中々決まらないようだったがなんとか1つ決めてくれた。渚さんの「せーの」の掛け声でゆび指すと俺と渚さんは同じところを指して他の3人はバラバラだった。


(渚)「じゃあ、これで決定で班長私でいい?」

(4人全員)「異議なし!」


 修学旅行の班はなんとも華やかな班になってしまった。



 

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