第4話「浮気は清掃対象です!」
今日は土曜日だから12時くらいまで寝ていようとおもって布団に入った昨日金曜日の夜。この1週間は信じられないくらい長かったし疲れた。その原因は言うまでもなく分かる。神田さんだ。土曜日の朝に俺のスマホがなった。なんだよ人がこんなに気持ちよく寝ているのに電話をかけてくるやつは。奈津美からだった。おいおいまだ8時だろと思いながらも電話に出た。
「おはよう」
「おはよう。何のようだ?」
「ちょっと付き合って欲しい事がいるんだけど」
「うーん、パス」
「はぁ?まだ何も言ってないじゃない」
だって面倒くさいし外に出たくないし、何よりまだ眠い。
「まぁ、その要件だけは聞いてやるよ」
「買い物に付き合って欲しいの」
「おう、そうか」
そう言って俺は電話をきった。まだ寝たいっつうの。もう一度布団に入って幸せな二度寝を始めようとしたその時階段を勢いよく駆け上がるドンドンドンという音がした。そして俺の部屋のドアがガチャっと開いた。
「修行くよ」
「奈津美あいにく俺は今から二度寝をするとこなんだ」
「そんな事知るか。はやく起きろ!」
これもよくライトノベルなどの主人公が幼馴染に起こしてもらうというのの1種なのだろうか?だがこんなのはまったく嬉しくないしやめてほしいものだ。
それから寝起きの俺は奈津美との布団の綱引きに敗北した。うん、そして奈津美の買い物についていくのに母さんが前向きだった。俺らが話しているところに母さんが来て
「いいじゃない修」
「何がいいんだよ」
「どうせ12時くらいまで寝て午後からはゲームしてるんでしょ、なら奈津美ちゃんと買い物に言って来なさい」
そうして俺は奈津美の買い物に付き合う事になった。
こうして俺は近くのショッピングモールに来ている。
「何買うんだよ」
「服!」
「服なんて自分一人でいいだろ」
「やっぱ誰かの意見って欲しいじゃん。それにおばさんにあんたの服も選んで来いって言われたし」
幼馴染に何頼んでんだよ母さん。
「今回買う服何のためかわかってないでしょ」
そんなの服は着るためにあるんじゃねぇか。
「はぁ~、その感じわかってないね。今度の修学旅行用の私服なんだよ」
あ、完全に忘れていた。
少し歩いて服屋に着いた。そして服屋に行く途中から何やら視線を感じる。うん、これは気のせいではない。そしてその目つきはもの凄いだろう。これをどう対処すべきか考えていると隣りにいたはずの奈津美がいなかった。不思議に思って周りを見渡すとその視線を向けている美少女のところに行って話しかけていた。ちょっと何してんだよ。
「修、神田さんと二葉さんだよ」
奈津美がそう俺を呼んだ時に渚さんのご愁傷さまという目線、助けてくれよ。その時スマホに通知が来た。
「浮気?」
たったその一言のメッセージと目の前にいる人のオーラで俺の背中はゾッとした。というか俺と神田さんは付き合っているわけではないから浮気でもないんじゃないか。それに後で2人でちゃんと事情を話せば分かってくれるんじゃないか、いやわかってくれ―!
渚さんが優しく話題を出してくれた。
「2人はなにしにここに来てるの?」
「今度の修学旅行に着ていく服を買いに来たんだ」
「そうなんだ。私達と同じじゃん。ね彩華」
「うん」
その声のトーンを聞いて分かった。これは相当怒っている。今すぐにでも走って逃げ出したいくらいだ。そしてもう一度スマホの通知がなった。僕はビクビクしながらスマホを見ると
「浮気は清掃対象です✨」
そんなキランとするんじゃない。そしてこれから渚さんがそう僕を地獄へ招待してくれた。
「そうだ!ちょうどお昼の時間だし2人も一緒にご飯食べない?」
おい―――――!その提案はマズい。奈津美断ってくれ。
「まぁ、いいよ」
そこは断れや。
「修もいいでしょ」
「うん、いいよ」
俺が断れるわけがない。
(奈津美)私は今二葉さんの提案をものすごく断りたかった。だって修に告白したやつと修がいる時間を作ったら何が起きるか分からないだろ。でも断れなかった。今の雰囲気は無理くない?だから仕方なく一緒にご飯を食べることにした。
おいおい、これからどうなるんだよ。地獄の始まりだ!
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