第2話「美少女の応援」

 えっと………、俺の目の前には美少女がいる。しかも僕の彼女に立候補している。


「君の彼女になりたい!」


 こんな美少女にストレートに君の彼女になりたいなんて言われて断るやつがどこにいる?だが俺と神田さんにはまったく接点は無い。去年だって違うクラスだったし。


「気持ちは嬉しいんだけど俺と神田さんって喋ったのもこれが初めてだよね?」


 神田さんはムッと頬を膨らませた。うん、シンプルに可愛い。


「前に話した事あるのに忘れちゃったの?」


 前に俺と神田さんが話した事がある?まったく記憶に無い。こんな人と話せたのなら忘れないはずだが………


「その感じ覚えてないね」

「うん、ごめん覚えてない」

「まぁ、いいや。今日一緒に帰ってよ。それでこの事はチャラにしてあげる」


 特に断る理由も無いのでOKした。



*******



 今日の授業がすべて終わってホームルームが終わってすぐに神田さんが僕の席にきた。


「一緒に帰ろう」


 その時に俺は思い出した。今日は部活があるということを………本当に申し訳ない。


「ごめん、今日部活なんだけどちょっと待っててくれない?待つのが嫌だったら明日はオフだから明日ならすぐに帰れるから」

「うん、分かった。待ってる」


 今日の部員は物凄いやる気だった。なぜなら神田さんが見ている。そしてなぜかその隣に二葉さんまでもがいる。神田さんと目があった。その瞬間


「修くん頑張れー!」


 その神田さんからの応援にのっかって二葉さんまでもが


「修くん頑張れー!」


 うん、美少女達からの応援は凄く嬉しいし力になる。だけど部員達からの嫉妬の視線が痛い。同級生や後輩に向けていい視線じゃない。100歩譲って神田さんだけなら分かる。たがなぜ二葉さんまで俺の応援をしている?そしてその2人を睨んでいるやつが1人いた。我々バスケ部のマネージャーの奈津美だ。


「なんでそんな険しい顔してんだよ?」


 俺が奈津美に声を掛けると奈津美は不機嫌そうだった。


「いや、べっつに〜」

「その反応はなんかあるだろ」

「美少女達に応援されて鼻の下を伸ばしているキモい幼馴染が目ざわりだな〜って思っただけ」


 うん、酷くないか?


  

  ******


 私は今修くんの部活を見に来ている。だがなぜか私の隣には渚がいる。


「なんで渚がここにいるの?」

「いつも真面目な副会長さんが今日は大事な予定があるから生徒会の仕事が出来ないって言ってたから何するのかな〜って思ったら彼氏の応援ですか」

「いや、まだOKもらってないから彼氏では無い」

「まっ、いいや。私はそろそろ帰るとするかな」


 そう言って渚は帰っていった。


 

******


 

 気付いた時には二葉さんがいなくなって神田さんだけになっていた。部員達のやる気は少し落ちたがそれでも神田さんが見ているというので今まで以上に頑張っている。いつもこれなら県大会も優勝出来るのではないかと思うくらいに頑張っている。だが終始奈津美の機嫌は悪いままだ。


 部活が終わった。神田さんを待たせているというのもあって急いで制服に着替えて校門に向かった。

俺が校門に着くともう神田さんが来ていた。


「ごめん、またせちゃって」

「全然大丈夫ですよと言いたいところですがレディーを待たせるとは何ごとですか?罰として明日も私と帰ってもらいます」


 この人は俺が思っている以上に可愛くて普通の女の子なのかもしれない。


 


 





 


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