第二章 次の日 学校に行ったら何故だか人気者になっていて、すごくモテだしたんだが




俺は、校舎を出ると、校庭の裏庭にある焼却炉の方へ力無く歩いた。

そして、貰った手紙を全部、焼却炉の中に投げ捨てた。

最後に、舞から貰った手紙を手に持ち、俺は、グッと目をきつく閉じると、それも焼却炉の中に捨てた。


そうだ……そうだよな。

俺がモテるわけがないんだ。

冗談に決まってんじゃん。

それなのに、俺って、調子に乗って。

ほんと……バカ。

これも、一種のイジメだよな?

はぁー……。


重い溜息をつき、俺は、有美の顔を思い浮かべていた。

有美……泣いていたな。


小さな頃から一緒にいて、気付かなかった。

有美も、泣くんだ。当たり前だけど。

いつも笑って側に居て、時々、ウザいなとか思ったりして……それでも、泣いた顔を見た事は無かった。


泣かしてしまった……。

女の子を……。

俺……マジで、最低……!!


俺は、校庭を走ると、学校の門を飛び出した。



息を切らせ、有美の家の前まで走って来た俺は、インターフォンを押そうとして、手を止めた。

「……会って、どうするんだ?」


ー誠なんて……大嫌い!!ー


有美の言葉が頭をよぎる。

嫌われたんだよな、俺。当たり前だけど。

有美の家の門の前で立っていると、玄関のドアが開き、有美の姉の沙織が出て来た。

「あら、誠くんじゃない?」

「あっ、ああ……こんにちは。」

我ながら、間抜けな挨拶。

沙織は、俺の側に来ると、フッと口元に笑みを浮かべる。

「有美とケンカしたの?」

「えっ?ああ……。はい……いや。俺……有美に悪い事をしてしまって。」

俺の言葉に、沙織は、クスクスと声を立て笑った。

「なるほどね……。学校から帰ってきて、有美、かなり荒れてるの。「誠のバカー!!」なんて叫んじゃって。」

「えっ?!マジか……。」

顔を曇らせた俺を見て、沙織は、あははと笑う。

「嘘、嘘。冗談よ。だけど、元気が無かったから、誠くんとケンカでもしたのかな……って。」

「俺……有美に謝りたくて。」

「本人に会って行けばいいじゃない。幼なじみなんだし、遠慮しなくてもいいのよ。」

沙織は、そう言ったが、俺は、有美に会う勇気がなかった。

「有美に謝っておいて下さい。あと、手紙は、全部、捨てたからって。」

「手紙?」

眉を寄せ、沙織は、見つめたが俺は、軽く頭を下げると、その場を駆けて離れた。


許してもらえるとは思えないけれど……。


最低最悪。


俺は、恋まで無くして、仲が良かった幼なじみまで失うのか……。







俺の…………バカヤロウ!!

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