第二章 次の日 学校へ行ったら何故だか人気者になっていて、すごくモテだしたんだが




有美から、舞の事を聞いて、俺は、すごくショックを受けていた。


まぁ、思えば、あれだけ可愛い舞に彼氏がいないというのが嘘なわけで。

きっと、彼氏もイケメンで頭が良くて……。


俺がどう足掻いても、適う事なんて最初から、なかった事で。

俺の恋愛は、儚く終わるのか。

そして、俺の運命も変わるのだろう。


有美は、普通にしてろって言ったがきっと、みんなにバカにされるのだろう。

まぁ、覚悟は出来ている。


なんてないさ。

舞に彼氏がいると知った絶望から比べれば、他の事なんて問題ない。



次の日。覚悟を決めて学校へ行き、教室へと入った俺は、いきなりクラスメートに囲まれ、戸惑った。

「矢崎、お前、面白いな。」

「矢崎くんがあんなに面白いなんて思わなかった〜。それに良く見たら、イケメンじゃん。」

クラスメートに、わぁーきゃー言われ、戸惑う俺の側に有美が来た。

「はいはーい。みなさん、朝のホームルームの時間ですよー。チャイム聞こえませんでしたー?」

有美が言うと、クラスメートは、それぞれ自分の席についた。

「何だよ、お前。」

「私……学級委員ですから。ちょっと騒がれてるからって、勘違いしないように。」

丸メガネをクイッと片手で上にあげ、有美は、言った。

「……別に勘違いしてねぇし。」

俺は、自分の席に座り、カバンから取り出した教科書を机の中に入れようとして、違和感を覚え、机の中を覗き込んだ。

「なんじゃ、こりゃあー! 」

まるで、太陽にほえろ!のジーパン刑事の松田優作のように、声を上げる俺。

俺の机の中には、手紙が沢山、入っている。

しかも、全部、女の子からの手紙。

いわゆるラブレターというものだ。

ラブレターなんて、人生初。

しかも、こんなに沢山。

夢だ……これは、夢なんだ。

俺は、また眠ってしまったのか?!

両手で目を擦り、もう一度、机の中を覗き込んだ。


「夢じゃねぇー!!」

思わず、声を上げた俺の方をクラスの女子が熱い眼差しで見つめる。

俺は、慌てて口を塞ぎ、意味が分からず、目をパチクリとさせた。

「な……なんで……?」


一時間目の授業が終わり、10分間休憩の時に、有美が俺の所に、やって来た。

「ラブレター貰って、喜んでんじゃないわよ、バーカ。」

「何!?」

「みんな、面白がって、からかってんだから、本気にしちゃダメって事。」

有美の言葉に、俺は、唇を尖らせた。

そして、チラリと有美を見て、口元に笑みを浮かべた。

「ははーん……お前、何か?俺がモテてるんで、ヤキモチ妬いてんのか?」

俺がそう言うと、有美は、少し怒ったように、こう言った。

「バカ言ってんじゃないわよ!なんで私がヤキモチを?!後で、泣いても知らないんだから。」

そこまで言うと、有美は、自分の席に戻って行った。

からかわれていてもいい。

人生初、モテ期がきた!


俺は、バカみたいに喜んでいた。

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