第13話 話し合いました。
毒草の苦みと格闘していたら寝落ちしました、おはようございます。
【気絶の間違いでは】
あながち間違いでもないよね、この苦みは。苦いと書いて苦しいと読む程度には苦いよ、この葉っぱ。魔力だけなら銜えて吸い込むだけで良いんだけど、毒も欲しいから頑張ります。
【お力になれず、申し訳ないです】
謝らないで、ボクが勝手に言い出して実行しているだけだから。移動に協力してくれてありがとう。
【嗚呼、私の妻がこんなにも可愛い──……】
アンナさんが妙な世界へトんでしまった。妻とか言われたけど、もう成体になってその時を迎えるまでに夫の座を奪えば良いんじゃないか、って気がしてきた。
【では天羽様のことを延々と妻と言い続けて事実になるように仕向けますね】
やっぱり抵抗は大事だよね!! ボクが!! 夫!!
【必死になっている天羽様も可愛い】
……アンナさん、構われる為に態とやっているの? だとしたら可愛いから許すけど、他のお喋りしない?
【それも極僅かにありますが、やはり私が夫でいる方が諸々の問題がないので】
その問題について、聞きたくないけど苦みからの逃避を兼て食べながら聞いても良い?
【まず不殺傷の呪いを受けている天羽様が前線に出ることはありません。私の思想によりやはり私が夫です】
うん、それは前にも聞いたね。思想は簡単に変えられないかもしれないけど、呪いって解けないの?
【解析中──、結果を表示します。世界の真理からの呪いですので、簡単とは口が裂けても言えません。また一度でも解呪すれば、次以降の際に妨害されると予想されます】
3つ全部を解くのは至難の業、って思っておいた方が良い?
【不可能に近い、がより近いかと思います】
そこまでなのか、優先順位は考えておかなきゃね。
で、まずは、って言うなら他にも理由があるんだよね?
【はい、次の理由ですが、召喚が可能になり、繁殖し、懐妊した場合に、前線に出る私と後衛にいる天羽様とではどちらが都合が良いかを考えると】
どう考えても前に出ないボクの方が都合が良いですね、分かります。
【ええ、ですので】
分かるし納得もするけど了承は出来ないんだよねぇ!! 産むの!? ボクが!!??
【その予定でいていただけると、この上なく有難いです】
ヒェ…………。
【ご心配なく、同意なく繁殖はしないと誓いますので】
心配の方向性がほんの少しずれただけだよ、それ。アンナさん、その予定を遂行する気満々でしょ。
【最後に】
はぐらかしたのは分かった上で訊くけど、まだあるの?
【天羽様が可愛いので私と致しましては是非にとも愛でたいと常々より思っています】
ヒェェ……………………。
【私の可愛い天羽様、あなた様を愛でられる日を心待ちにしております】
…………。
……………………。
………………………………。
…………毒の苦みも感じなくなってきたし、このまま無心で食べ続けようそうしよう。
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