第11話 戦いました(アンナさんが)。
葉っぱの絶叫マシンを満喫していたら目的地に着きました。着いた、と言っても植物と地面の境で、乗って来た葉っぱはアンナさんがさっさと収納した。うーん、多分、そんなに大きくないっていうか大根よりも小さい根菜だと思うんだけど、今のボクには塀よりも高い。色もちょっと毒々しいし食欲はわかないけど、これもアンナさんとの幸せな未来の為なので上に登って新たな葉っぱを実食、
【天羽様】
したかったんだけどなぁ。
目の前にアリがいた。自分より大きな虫っていうのはホラーだね、どアップで見る外見が怖いし気持ち悪いし、何より捕食されるという恐怖が一気に身近に感じる。まぁ、食べられるのはボクじゃないかもだけど。
アンナさん、この植物ってアリの食草になるの?
【検索中──、結果を表示します。なりません。魔魅夢酩妄毒草はほとんどの生物にとっては猛毒です】
ということは餌を探してうろついていた働きアリかな、ボクが既に認識されていたらちょっと拙い。若齢幼虫の擬態は鳥の糞だから、飛んで来た葉っぱについていたそれと勘違いしてくれれば良かったんだけど、葉っぱは収納しちゃったし、ただの鳥の糞が動くわけないんだよなぁ。アリも近付いてくるし。
【応戦します】
貯めていた魔力が消費され、突風がアリを地面から跳ね飛ばして近くの石に叩きつける。だけどアリの身体が軽過ぎて大したダメージにならない。
貯めていた魔力がまた消費された。突風が吹いて今度は石に別の石をぶつけ、アリを潰してしまった。
【敵性生物の生態反応が消えました】
ボクはのこのことそのアリに近づく。確かに潰れて死んでいた、どアップなのでかなりグロい。
【生命核を抽出して保存します。死体は放置で良いでしょうか】
死体自体は見えないように埋めるか吹っ飛ばしてくれるとボクの精神衛生上、とても助かります。あとは周りに誘引フェロモンで道が引かれていないか確認して。あったら寄って来ちゃうから対処しないと。
【畏まりました。提案します──、敢えてアリを寄せて生命核を収集するというのは如何でしょうか】
悪くない案だとは思うけど、今の戦闘でどのくらいの魔力が消費されたの?
【全体の5%未満です】
厳しい。アリの本領は集団行動だ、20匹以上で来られたら対処できなくなるのも困るし、連携されるだろうから今以上の消費を考えるべきだ。まさか一回で10匹未満がくるなんて希望的観測、ボクには出来ない。
【畏まりました。道が引かれていた場合は近くの別の植物に誘導し、可能なだけ狩ることにします】
結局、狩りはするんだね。
【天羽様との幸せな未来の為ですから】
うーん、お嫁さんがこんなにも頼もしい……。
【頼りにしていただいて夫冥利に尽きます】
ボクは諦めないから!
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