第三話 ラフレスタ高等騎士学校

 エストリア帝国は現時点のゴルト大陸の中では最も長い歴史を持つ人間の国家であり、ゴルト歴元年から始まって以来、一〇二二年間続く国家だ。

 建国以来長い歴史を経て、ゴルト大陸の三分の一の面積に該当する北西部を支配し、名実ともにゴルト大陸の覇者として君臨している。

 政治体制も盤石であり、建国よりこの国の盟主たる帝皇一族を中心に、忠誠心の高い貴族が各都市を支配する封建国家としてまとまっていた。

 ここ三百年程は大きな内乱もなく、他国とも大きな戦争を起こしていない国でもある。

 現在の首都はエストリア帝国の西海岸に位置する帝都ザルツであり、この地は帝国国内のみならず、ゴルト大陸をはじめ、世界の様々な都市との交易により得られた富が集まり、世界経済の中心になっている事も国力を安泰化させる要因のひとつだ。

 加えて、この帝国が恵まれていたのは初代帝皇以来続く国家運営の思想にあると言われており、彼らは優秀な人材を確保する事に貪欲であった。

 その政策のひとつとして、帝国設立直後から続くのは数多くの教育機関の設立であり、これが周辺国家からエストリア帝国が『英知の国』と呼ばれる所以である。

 特に帝都ザルツより北東へ馬車で二日程の距離に位置している城壁都市ラフレスタは別名『学園都市』と呼ばれるほど多くの学校が集まった都市である。

 このラフレスタには多数の教育機関に所属する多くの学生と知識人、そして、彼らが生活する事により様々な需要が発生し、それを満たすべく多くの露店や商会、行政機関、宗教施設が集まり、街としての機能が活発となり、今では人口七万人が暮らす活気溢れる大型都市に成長していた。

 ここでエストリア帝国が他国よりも優れていると言われている教育制度について説明しておこう。

 まず、全ての帝国国民の男女が七歳を迎えると初等教育が始まり、初等学校に通うことになる。

 この初等学校では読み書きに代表される基礎的な学力や礼儀作法、魔法の基礎などを五年間かけてゆっくりと学ぶことができ、授業料も国費から賄われるために無料である。

 よって、ほとんどの国民は初等学校に就学できるため、エストリア帝国国民の読解力や魔法使用者の割合が他国よりも優れている点はここにあると言われている。

 そして、初等学校の卒業を迎える頃になると、裕福な家庭の子供や成績優秀者は更に中等学校へ進むことができる。

 十三歳から十五歳までの三年間は高度な基礎教育を中等学校で学ぶことができ、特に商人など仕事上で必要な交渉術や金勘定に代表される経理職を目指する者にとっては中等学校卒業の学位が必要最低の資格だと言われている。

 そして、一般的な帝国国民の約九割はここで就学の終わりを迎えるが、残りの一割は高等学校へ進むことができる。

 その対象となるのは貴族の嫡男子女、裕福な家庭の子供、貧しくても成績が極めて優秀で将来優秀な官僚を目指す者など所謂支配階級の子供達である。

 そして、このラフレスタには帝国立ラフレスタ高等騎士学校という名門の高等学校があった。

 このラフレスタで二番目に長い歴史を持つ由緒正しき高等学校であり、創立以来二百年を超えた今でも様々な逸材を世に輩出している学校だ。

 その名門学校で学ぶために帝国国内全土から優秀な生徒が集まっていた。

 一学年二百名規模で十六歳から十九歳の四年制の高等学校。

 この学校の冠名からして帝国の防人となる騎士を輩出するのが目的の学校であるが、単なる騎士個々の育成に留まらず、その組織運営や政治、経済と幅広く総合的に学ぶ教育方針であるが故に、バランスの良い人材育成が成されると評されており、過去の卒業生達の実績がこれを証明していた。

 よって、ここに入学できるのは単純に親の七光りだけでは駄目で、その中でも高い実力、可能性を有している事が入学の条件になっていた。

 十九歳になるアクト・ブレッタもこの高等学校に就学を許されたとても有能な生徒だ。

 アクト・ブレッタはラフレスタから遥か東にあるトリア領に本拠地を置くブレッタ家という有名貴族の次男である。

 過去から名声があり経済的にも豊かなブレッタ家に生まれ、そして、次男という立場から将来は家督を継ぐ必要もないため、帝国の騎士を夢見る若い青年がこの騎士学校にやって来る、というのはある意味既定路線とも言えるだろう。

 元々剣術士として才能もあった彼だが、己の鍛錬が大好きで、根が真面目な努力家である彼の性格も幸いして、今では学年一の剣術士となっていた。

 総合的な教育方針を謡うラフレスタ高等騎士学校においても「騎士」の力の象徴たる剣術には重要な評価点が与えられる。

 そのため、彼が四年生の筆頭生徒として任命されるのは決して誇張された話しではない。

 そんな騎士学校で最高の栄誉を与えられた筆頭生は、現在、教室の窓越しに広がるラフレスタの街の風景をボーッと眺めていた。


「冴えない顔をしているな。アクト」


 声を聴きアクトが振り返ると、そこには赤茶癖毛の青年が立っていた。

 同学年の学友であるフィッシャーという名の男だった。


「ああ。ちょっと考え事をしていたんだ」


 多少、集中力の欠いた表情を残し、学友の言葉に応えるアクト。

 アクトの冴えないその表情を見て、ある意味で確信を得たフィッシャーはアクトへ会話を続ける。


「聞いたぜ、アクト。昨日、実習先で『月光の狼』とやり合ったんだってな?」


 この学校では四年生になると「実習」と称して実社会で活動する組織に仮所属し、いろいろと経験する授業がある。

 専攻する授業内容によって実習先は異なり、更にそこからいろいろと生徒自身が選択できるが、アクトは騎士の下部機関となっているラフレスタ警備隊を実習先として選んだ。

 ここの生徒はその高名から「騎士」を目指す者が多く、そのため、実習先としても騎士隊を選ぶのが普通であったが、アクトは敢えて「警備隊」を選んでいた。

 それはこの平和な世の中、騎士が活躍する場面はあまりなく、普段からの実力と荒事の経験値を考えると『警備隊』の方が実習先として魅力的に思えたからである。

 そういう判断をする者はこの騎士学校の中で少数派であり、特に騎士隊よりも警備隊の方が格下と見なされている部分もあってか、毎年『警備隊』を実習先として選ぶ生徒は少なく、今年の希望者もアクト達を含む数人に限られていた。

 警備隊の実習自体は週に二回程度招集されて、警らの経験を積む実習内容であった。

 実習が完了すれば、警備隊に就職するときの選考試験で加点評価にもなるらしいが、このラフレスタ高等騎士学校という名門校を卒業しようとする生徒にとって、警備隊に就職すると言うのは割に合わず、実習の拘束時間が長いこともこの実習が不人気科目になっている理由であった。

 昨日の事件もその不人気科目の筆頭たる『夜警の実習訓練』中に発生した事件である。


「情報が早いな」


 アクトはあまり嬉しく答えるが、対するフィッシャーは逆であり、好奇心を隠す事はなかった。


「それで、会ったんだって? あの白魔女に。どうだった? 美人だったか?」


 呆れた奴だとも思いながらも、ここでフィッシャーが自分へ話しかけてきた目的をある程度推察するアクト。

 彼の興味の対象は白魔女にあるらしい。

 それ程にこのところの白魔女はラフレスタで有名な存在になりつつあるのだ。 


「顔をゆっくりと拝める程じゃなかったので、詳細は解らないが・・・美人だった、のかもなぁ・・・」


 多少勿体ぶって答えたつもりのアクトだったが、フィッシャーは自分の期待どおり情報が得られたらしく、満面の笑みを浮かべる。


「うひょーーー!! いいねぇ! 俺も会いてぇ。ちきしょー、俺も警備隊に実習志願するんだったぜッ!」


 場所も弁えずに奇声を上げるフィッシャー。

 アクトにとって少々頭の痛くなる反応を見せる学友だったが、確かに『白魔女』は謎の美人魔女として巷で噂になっていたから、女好きを自認しているフィッシャーがこの情報に興奮してしまうのも無理のない話だと思ってしまう。

 彼女は『月光の狼』という謎の賊集団と行動を共にしているようだが、この賊も『義賊』しての噂が広まっていた。

 しかし、この『月光の狼』については良い噂もあれば悪い噂もあり、やっている事も窃盗や殺人であったりと犯罪行為が中心のため、アクトにとっては許せない集団という思いが、なきにしもあらずだ。

 だが、件の『白の魔女』に関しては『悪い』と言う人が極めて少数派の、とても奇妙な現象が起きていた。

 彼女にこっ酷くやられた当事者もいたが、その人でさえ不思議と彼女に対する恨み節を漏らすのは稀だという。

 白魔女がひとりの人間を殺めていない事も彼女が好意的に捉われている理由のひとつなのかも知れない。

 そして、彼女が好意的に捉われている一番の理由としては白魔女が絶世の美女だと噂されている事もあるとアクトは考えている。

 この謎に包まれた美女を一目見てみたいという輩は健全な男性ならば誰でも持ってしかるべき性なのだろう。

 

「アクト、もっと白魔女について教えてくれよ! その身体付かはどうだった? やっぱり大きかったか? 揺れていたか?」


 フィッシャーが主語を飛ばし、抽象的に何について問うているかを一瞬で解ってしまうアクト。

 今の彼が最も知りたい事は白魔女が持つ女性としての身体的な特徴のひとつだ。


(フィッシャー! そんなことを今、知ってどうするんだ・・・)


 そう考えると、真面目を地で行くアクトの頭は更に痛くなるばかりだ。

 そんな呆れの眼差しに気を留める事はなく、矢次早に鼻息荒くアクトに迫ってくるフィッシャーだったが、ここでそれを遮る者が現れる。


「はい、それまでよ。アクトは昨日の今日で疲れているのだから、やめて頂戴!」

「げっ!! ここで腰巾着登場かよ!」


 赤いショートヘヤーがよく似合う可憐な女学生の登場で、とても残念な顔へと変わるフィッシャー。


「腰巾着なんて本当に失礼なヤツね。昨日は私もアクトも白魔女に眠らされて、ハイおしまい、だったんだから、よく解らないに決まっているでしょ。ハイ、終わりね」


 昨日、アクトと伴に行動していたサラの発言に嘘はないが、彼女としては下世話な話題でアクトを毒そうとする悪友を早く退散させたく、ぞんざいな言動でフィッシャーに接していた。

 それにフィッシャー自身も、普段からサラを非常に苦手な相手と認識している。

 ふたりの考えが負の方向で一致すれば、その後の行動も明確だ。


「わかった、わかった。じゃあアクト、後でな」


 フィッシャーは気持ちを直ぐに切り替えて退散する事を決心する。

 この赤髪の女性サラ・プラダムに関わると禄でもない・・・特にアクトの事になると面倒くさくなる。

 それは彼の三年間の学生生活で学んだことであった。


「相変わらず失礼な奴ね。おはようアクト。よく眠れた?」


 足早に退散していく学友を目で睨みつけ、直後に爽やかな顔でアクトに朝の挨拶をする、という器用な技を披露するサラ。

 ある意味これはこの学校において日常の光景であったりする。


「おはよう、サラ。自分はもう大丈夫だけど、サラは?」

「私はダメダメ、まだ眠いよ。昔からアクトはあまり寝なくても平気だったわね。羨ましいわ」


 彼女はアクトの幼馴染のひとりである。

 自分がラフレスタ高等騎士学校に行くと決めたとき、友人のサラとインディが一緒について来てくれたのだ。

 三人は初等学校からの幼馴染であり、既に気心知れた仲でもある。

 三人揃い同じ実習に志願し、そして、昨日の事件に遭遇した。


「インディは?」


 アクトの問いにサラは首を横に振る。


「まだ寝ているんじゃない?」

「そうか・・・」と応えたアクトは、再び窓の景色に視線を移して、ため息を漏らす。


「・・・昨日の事を気にしているのね」

「ああ。あの魔女にまったく歯が立たなかったよ。昨日は見逃してもらったようなものさ。俺は完全に白魔女に負けたんだな・・・って思っている」


 アクトが落ち込むのも無理ないとサラは思う。

 学年一、いや、現在はこの高等騎士学校で一番と言っても過言ない天才的な剣術の腕を持つ彼の事だ。

 慢心に陥っていなくても自信はそれなりあったはず。

 その剣術を披露する事も無く、敵の魔法一発で終わらされてしまったのは、負けず嫌いのアクトの性格を良く知るサラとしても、彼の心の落ち込みを理解できた。

 アクトはとある理由で魔術師に対して最悪の存在の筈だった。

 どんな魔術師でも彼に魔法をかける事はできない・・・そう思われていた。

 しかし、白魔女はそんなアクトにも全く関係なしに魔法をかけることを成功していたのだ。

 これがどれだけ凄い事なのかを魔術師の端くれであるサラが一番理解できている。

 そう思うと、白魔女はサラの理解を超える存在だと思うしかない。

 それほどに白魔女は超越した魔術師なのだ。

 それでもサラはアクトをなんとか慰めようと優しい言葉をかける。


「相手があの白魔女だったら、しょうがないんじゃない?アクト・・・」

「いや、『しょうがない』は言い訳さ。このままじゃ、この先、似たような魔術師に出会っても、また負ける気がするんだ」

「あの白魔女は特別だよ。私も魔法の分析が得意だから解るけど、あんな凄いことができる人って、そうそういるとは思えないし・・・」


 彼女自身も実際にあの現場で白魔女と対峙していたから、白魔女の反則的な非凡さがよく理解できていた。

 サラの魔法の才能はとりわけ相手の魔法の能力を見抜く事に特化している。

 だから、自分達ではあの白魔女には全く敵わないは直ぐに理解している。

 それほどまでに圧倒的上位な存在だと思う。

 基本的に魔術師には魔法を行使するときに独特の貯めを必要とする。

 呪文の詠唱なり何なりを切掛けとして、魔力を制御して具現化するためには、どうしても必要な時間であり、それが魔術師の持つ「隙」と呼ばれる弱点だ。

 しかし、この「隙」が白魔女には全く感じられなかったのだ。

 もしかしたらサラの考えもつかないところでその隙があったのかも知れないが、少なくともサラの眼には白魔女が突然魔法を行使したような感覚を得ている。

 もし、あの白魔女の正体が「神様だ」と言われれば、それを信じてしまうほどに人間離れした技だと思う。

 それにあの魔術師は何だか悪い人間じゃないような気もしていた。

 敵対する関係にならないかもと、自分の直感からそのように感じるものの、そう思った直後に何か引っ掛かりを感じるサラ。

 もしかしたら自分は知らず知らずのうちに白魔女から『魅了』の類の魔法をかけられていたのではないか?と疑いはじめた。

 そうなると白魔女は善人を装った危険人物かも知れない・・・いろいろな考えがサラの脳裏を掠める。

 結論としてはそんな危険人物と関わるのは御免被りたく、アクトにも白魔女との関わりを諦めて貰うより他ない、とサラは思考をまとめる。


「通常の対魔術師戦だったら、相手の呪文を妨害したり、相殺する魔法をかけたりするけどね。あの白魔女にそんな隙があるとは到底思えないわ。魔法の影響が届かないところに逃げるのが一番だと思うけど」

「それじゃだめなんだ。サラ、何か良い方法教えてくれ。お前、魔法得意なんだろ?」


 険しく、そして、縋るような顔のアクト。

 このときのサラはアクトをどうやって元気づけ、かつ、白魔女の事を諦めてくれるかを考えていた。

 しかし、明確な答えなどをすぐに出る訳もなく、サラが苦し紛れに言葉をひとつ選んでひねり出す。


「私も一瞬で負けたし、アクト、貴方のような魔術師にとって最悪の才能の持ち主でさえ、簡単に敗れてしまったのよ。恐らく正面から挑んでも絶対彼女には勝てないと思う・・・そうねえ、私にはアドバイスできる事はない。あるとすれば、対魔法戦専門のアルカディ先生に相談に乗ってもらうか、最近街で流行りの魔道具商会へ赴き、相談に乗ってもらうか、あとは・・・ラフレスタで一番実力ある魔術師のグリーナ大魔導士様に、って・・・これは伝手がないし、無理そうよね。そうなるとグリーナ大魔導士様は直接無理だとしても、この街一番の魔法専門校のアストロ魔法女学院を訪ねみる? 相談に乗ってくれるかは解らないけど・・・」

「グリーナ様もそうだけど、魔法女学院なんて知り合いがいないしなぁ・・・サラは魔術師同士でアストロに知り合いはいないか?」


 サラは「うーん」と考え込む。

 全く交流が無いとも言えなかったが、あそこの魔女達に関しては自分とは性格が全く合わない変人ばかりだと思っていた。

 サラの認識しているアストロ魔法女学院の生徒とは魔法至高主義者か、上流階級に凝り固まった奴、あとは本当に変な奴・・・ばかりだ。

 自分達の学内にも同じような輩が居ないでもなかったが、あそこの生徒ほど変人が大量に集まっている学校はないだろう。

 最近はアストロ魔法女学院に所属している、とある女学生との交流もあったが、この人物もある意味とび抜けた変人であり、絶対に関わりたくない人だった。

 ちなみにその人物はアクトとも面識あるが、彼の口から彼女の名前が出なかった時点で忘れていると思う。

 結構な事だ。

 この際、その女は除外すべきだろう・・・サラはそう判断する。


「ごめん、アクト。アストロ魔法女学院で私が紹介できそうな子はいないわ」

「・・・そうか」


 しばらく考えたアクトだったが、やがて意を決し、立ち上がる。


「よっと。それでは残る選択肢として、まずはアルカディ先生のところに行ってくる・・・か」


 「私も」と続こうとするサラだったが、彼女は別の友達に呼び止められてしまい、同行するに及ばない。

 その事を気にすることもなく、アクトはひとりで教室を出て行ってしまった。

 彼の姿を目で追うサラだったが、このときのアクトの頭の中には白魔女にどうやって対応するかが多くを占めており、サラの視線に気を留める事は無かった。

 

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