第3話

 ——今日はいつも通り、憂鬱な学校生活を送っていた。

「おはよー海斗」

「うん」

 朝学校へ行くと、1年2組の優等生、高橋氷空たかはしそらが挨拶をしてくる。

 それに海斗は、適当な返事をして携帯をいじっていた。

「海斗ってば、いつも携帯触ってるよね」

「うん」

「そんなことしたら一生彼女どころか友達もできないよ」

「まあ、別にいいかな」

 氷空の言う事なんか、ほとんどスズメがさえずっているくらいの感覚である。

「まったく……そろそろ携帯しまった方いいよ」

「あ、そうか」

 携帯の時刻を見ると、午前8時30分と表示されていた。

 携帯の電源を落としカバンにしまい顔を上げると、そこで氷空の顔を始めて見る。

 容姿端麗で童顔、そしてやや胸がデカいのが印象的である。ほぼロリ巨乳と言っても構わないだろう。

「な、なに?」

 と、数秒氷空の顔を見ていると、氷空の顔が徐々に赤くなっていく。

「ううん、何でもない」

 本来であれば、こんな美少女と話ができるだけで胸が張り裂けそうなくらい嬉しいのだろうが、海斗にはそんな考えは一切なかった。

 むしろ、話しかけてくる女子、としか思っていないとか。

「それで、一限目は?」

 目を合わせないまま、氷空に訊く。

「んーと、国語から始まって地理、音楽、体育、数学、英語だね」

 時間割表を手にしながら、そう答える氷空。

「分かった」

 その後、適当な会話をしていると、教室の扉が開く。

「それじゃあ、朝のホームルーム始めまーす」




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美少女……幽霊? minonライル @minon13

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