第10話 記憶喪失

 という恋人が記憶喪失になってしまうというものは定番で、そういえば今年のあるクールのドラマで内容かぶりのようなことがありました。


 この「あやしげ」なエッセイで最初の方に書きましたが、「君によむ物語」(英語題notebook)も、老人性痴呆症になった妻に小説を読み、ラストの方で「それは私たちよ」と気が付くシーンがありました。


 美しい物語ですね。


 今日たまたま読んだ話で、北条司さんの「キャッツ・アイ」の最終回、主人公の来生瞳さんが記憶喪失になってしまう最後だと子どもながら覚えていました。それからずっと長い間読まなかったので忘れていました。


 しかし、大人になって改めて掘り返した記事を読んで、主人公の内海俊夫さんのセリフを知りました。

作者の北条司さんはさすがだと思いました。

記憶喪失になった恋人を見た俊夫さんは、姉の泪さんに「こんなに素晴らしいことはないでしょう。また瞳と恋ができる」と語って終わったとわかりました。


ああ、そういうエンディングだったんですか。



ところで、私の妻は私と同じ墓に入ってくれるのでしょうか?

 私が先に死んだら、散骨されてしまいそうです。


 結婚報告で、私の実家のお墓参りをしました。

 私の実家が、〇〇家の墓というお墓を建てたのは、新しい時代のことで戦後です。明治大正頃までは、我が家は「夫婦墓」でした。墓石に夫婦の戒名が書いてあるお墓です。

 その名残りで、御位牌は夫婦でひとつ。夫と妻の名前が書いてある御位牌が仏壇にあり、家族全員を書く御位牌は菩提寺の位牌堂です。

 お墓参りをした時、夫婦墓にしようか?と私が言ったら意味がよくわからない妻だったので、やはり私は散骨されるかもしれませんね。

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