天の川

第1話

７月7日

七夕の日

一年に一度だけ、彦星と織姫が天の川で会う。

なんて、ロマンチックになことを下界の人は、想像しているようだが・・・

今年は晴れたな。

雨が多いのが七夕なのに・・・

それは置いておいて、現実はそんなにロマンチックではない。

初期：「ごめん待った？」

　　　「今来たところ」

　　　「会いたかった」

　　　「私も・・・」

しばらくの間抱き合う。

中期：「ごめん待った？」

　　　「ほんの３０分ね」

　　　「嫌味？」

　　　「いや、皮肉だ」

　　　「どうちがうの？」

　　　「こまかいことはいい」

後期：「ごめん、待った」

　　　「ほな、行こか」

最近は、わざわざ行かなくても、ネットで会話をしている。

毎日。

浮気？

他に出会いがないから、しようがない。

なので、わざわざ出向くのが面倒くさい。

電話が鳴る

えっ、電話なんてあるのか？

気にしない。

「あっ、もしもし。彦星だけど」

「織姫よ。早く来なさい」

「めんどい」

「いいから、来なさい」

喧嘩から始まり、しぶしぶ会う。

どちらからしかけるのかは、毎年違う。

まあ、「喧嘩するほどなんとやら」で・・・