第4話

「猫がまさか帰ってくるとは思わなかったんだろう。」と言われた。

ああ、よかった。勝手にそう解釈してくれて良かった。もう猫に向ける笑顔も持ち合わせていない。

余裕もない。

猫よ、私の安寧を壊すな。

私は酷い心の持ち主か?いや、でも、猫と居合わせたくない理由などいくらでも出てくる。ただただ嫌うやつとは違う。

私が一緒にいたくないと言った時、1番の批判者は兄だ。ヤツしかいない。

ヤツは1番を争うほど家にも居ず、面倒も見ない。

ヤツは、ひとときの幸せを取った後、責任からは一目散に逃げる。

問い詰めたら、連帯責任だのなんだの言って、また逃げる。なんなんだお前は何様だ。

私はその“連帯”に入れられていることも気に食わない。

私は猫を飼いたいという思いなど少しも残っていない。なのに何故?なぜ私は連帯の中に入れられている?


ヤツは私の痛いところを突いて、何も抵抗できない時に責任というものを押し付ける。


ヤツは私の痛いところを突けず、責任が伴った場合、何も無いような顔をして恋人を理由に逃げる。


そんな私とのごたごたを見た母はなぜ何もしない?

お前もこっち側でありヤツと話し合いというものを開く権利を持った人だろう?なぜ許す?

そうだったな、お前にも逃げ場所があるんだったな。ヤツの恋人を理由にして逃げる場所を作るかのように。お前も恩人に恩を返すなどと言ってただ自分がしたいだけの飲み会というものを口実に逃げ場を作っていたからか。

まぁ、そうだよな。なるべくの対立は面倒だから避けたいんだろう。

私が家から出れないことをいいことに、あいつらは猫の責任を押し付けるのか。


兄の無責任さと、母の無責任さの尻拭いは私か



暴君にでもなりたいな。責任というものは押し付けられず、自分に降りかかった責任を叩き潰してやりたい。

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自学生 @mumen1130

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