第3話 超能力と魔術 その2

 君はそれを視て動かないと認知した。

 君はそれを視て肉塊だと判断した。

 君はそれを視て息が無いと確信した。

 君はそれを視て死体だと確認した。


 誰もがそうだ。

 目の前には遺体がある。

 それは確かだ。

 細を穿てば。

 重箱の隅をつつく表現を許して頂けるならば。

 普通じゃない遺体がある。

 頭部から胴体から手足指先まで。

 半端に、切られていた。

 見事に、裁断されていた。

 如何なる名刀を使ったとしても、この切れ味鋭さは及ぶまい。あまりに綺麗な切り傷だった。骨が断たれていないから人体の形状を保っているかのような、全身を刻まれた変死体だった。

 

 

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