第4話 お母様が取り戻したもの

母の護衛騎士は騎士なだけあって強い


だから私は約1ヶ月間ずっと剣の特訓をしていた


冒険者となって


『チートってやっぱいいね』


ただ魔法よりは少し実力は劣るが


それから私は彼らに勝負を申し込んだ


最初は舐め腐っていたが私がフルボッコにしたらあの家庭教師のようにそそくさと出ていった


そして今、私は体調が良くなり復活した母の前で正座をしている


『…お、お母様?』


「セレネ、私の代わりに色々としてくれていることは分かっているわ。でもね先程のような危険なことはよしてちょうだい」


そう、私は今母親に説教食らっている


実は一言も私の計画について話していない


母にはいつも隠し通せない


いつも何かを見透かされている


きっと先程のことに関しては護衛騎士との決闘のことだろう


『お母様、お願いです。私はやられっぱなしはもう懲り懲りなのです。こうでもしないといつか私達は潰されてしまう』


そう、前世のように


そうしたら母は


「仕返しすることは別に悪いとは言っていませんよ。でもねセレネ、武力だけで解決はよしなさい。いつか貴方が傷つくことになるわ」


お母様はいつも私のことを肯定してくれる


そうするとお母様は貴族らしくないニヤッとした笑みを浮かべた


「お母様ね、今すごく調子がいいの。きっとあなたのおかげね。毎晩こっそり光魔法かけてくれたでしょう?」


えっ、バレてたの?!


『気づいていたのですか?』


「ええ。」


お母様……



好き


説明をしよう。


まあ、説明をしなくてもご存知の通りだが主人公は重度のマザコンである


時折脳内がバカになり語彙力が下がる傾向にある


「あなたが今からやろうとしていること今からお母様に任せてくれない?」


約3ヶ月後


「お嬢様に仕えさせていただくリン・フロースでございます」


メイドの総入れ替えがこの屋敷であったのだ


『お、お母様?一体何を?』


「ちょっとお話し合いをして出て行ってもらったの半分以上の人に」


その時のお母様の見せる笑はとても懐かしいものだった


「だって私は貴方の姉でありお母様だもの。ありがとうね。私の為に色々なことをさせてしまって。おかげで今とても元気になったわ」


『…姉さん』


……奇跡が起きた


お母様……姉さんが前世の記憶を取り戻したのだ


その頃神は


「記憶を入れ忘れるなんて……」


あのドジ野郎こと姉妹を転生させた神は更にコテンパンに怒られていた


「…ふふっ。あの神には一言言ってやらないと気が済まないわ」









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