第30話 金狼姫
そこで遭遇した彼女は
金色の立髪に鋭い爪と牙
褐色肌に民族風の白い刺青
紫色の眼光がコチラを捉える
一角や隻眼と比べるとかなり
人に近い容姿をしている
「いつまで経っても来ないから
私が来る羽目になったじゃないか
チッ...なんだ牛共もいんのかよ」
カイとミコトは警戒し
一角と隻眼は武器をとるが
「遅ぇよ」
カイが瞬きをする前と後
刹那と言える感覚だった
ヤツの爪が一角の身体を貫いていた
(なっ!?嘘だろ、今の瞬きの間に
ここまで来たのか?10mはあるぞ?)
すると、予想していたのか又は
経験済みなのか、慌てる様子は無く
「...捕まえたぜ、金狼」
腕を抑え隻眼に合図を送るが
金狼と呼ばれた女はニヤッと笑い一気に
腕を引き抜く、一角の抑えてた手の
皮膚がブチブチと音を立てて千切れる
「「一角!」」
隻眼と、カイが叫ぶ
ミコトの動きはそれより早かった
ラビットホールを展開すぐさま隻眼の元へ
「私がどうにかする!一角を回復してあげて!」
ミコトは金狼に対してラビットホールを展開した
一角と隻眼にしていた無限落下
「一角の回復まで少し時間を稼ぐ!
隻眼はそのまま回復を頼む!」
カイは斧を持ちミコトの方へ走り出す
(どうする!?これじゃミコトは持たないし)
金狼は辺りを見渡した
もう数秒間ずっと落ち続けている
「ミコト!俺がアイツの相手をする!
無限落下を解除して俺の支援をしてくれ!」
「わかった...」
バタン!
「ミコト!?」
ミコトは血を流し倒れた
展開していたラビットホールは解除され
金狼と対峙する
「お!終わったな」
金狼はストレッチをし爪を研ぐ
(瞬きの間でもこの距離を詰められる相手だ
ミコトも倒れちまったし隻眼の回復も
まだ終わらない気は抜けない)
金狼は一呼吸おきカイまで詰め寄る
爪は気が付くと振り下ろされている
(やべ!間に合わねぇ)
カイは新しく覚えた鑑定を使った
が、数値が見えない使い慣れてないからか
どの数値も???と表示される
「爪はダメかなら
肩に噛みつかれそうになるが斧を合わせて
防ぐ、そのまま斧をぶん回したが
噛む力が異様に強く離さない
カイは斧をそのまま投げた
ガシャン!
金狼は斧と一緒に投げられ壁にぶつかった
「おいおい、いいのかよ
武器放り投げてよって...アレ?」
斧はカイの元に既に帰ってきていた
「ほへぇ〜、そんな効果があんのかその斧!
いいな、手元に戻ってくるかぁ欲しいな」
「嫌だよ!やんねぇよ!てかなんで手加減してんだ
一角の時より全然遅いし、まぁそのおかげでまだ
生きてんだけどさ」
「まぁ、殺すのが目的じゃねぇからな」
そう言うと、金狼は特殊な手の組み方をしたそして
「ウル・ゴルディア・メディ...」
何か呪文の様なものを唱え始め
「まずい!下がれ!」
隻眼が声をかけるが間に合わない
金狼の後ろから光が広がりカイと自身を覆った
「私と一緒に来てもらおうか」
その声と同時に金狼とカイは姿を消した
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