第26話 新ダンジョン
「おぉ!ダンジョン」
ビルの屋上から見下ろした光景に
少年が中年の男性にそう呟く
「あ?あーそうだな」
書類を見ながら
興味がないのかビールを一口
ぷはーと息を漏らし
書類を顔に被り寝始めた
「カイ...
君がここまで来るのを
僕は楽しみにしてるよ」
少年は踵をかえし
屋上から室内に入っていった
「...どうする?
今なら入れる」
「そうだな
ヤバそうだったら戻ればいい」
カイとミコトの二人は
ダンジョンの入り口に向かった
ゆっくりと中の様子を伺う
入り口付近にはモンスターは居なかった
カイが先に中に入った
縦横5メートル四方の通路
1メートル毎に篝火が灯っており
視界は良好、見える範囲でモンスターはいない
「大丈夫そうだな
入ってきていいぞー」
「...わかった」
ミコトがカイの呼びかけに応え
入ったきた時だった
【条件が満たされました
ダンジョンをロックします】
(???)
「もしかして!ミコト!戻れ!」
気づいた時にはもう遅かった
「クソ!なんだこれ!?」
言うなればバリアのような膜が貼って
体が弾かれ、武器試したが弾かれる
「...ねぇ、ラビットホール使えば出れるんじゃ」
「それだ!頼んだミコト!」
ラビットホールを使い
入り口の手前と奥を繋げた
「よし!一旦出よう」
ラビットホールに入り外にでた
が、出た先がダンジョン内
「なんでだよ!」
(さっきのダンジョンをロックってやつか?
もしかして出れない?)
「...ちょっと待ってバリア自体に
ラビットホール使ってみる」
ミコトがラビットホールを展開した
中心にラビットホールによる穴が空く
が、バリアの圧力によって潰されてしまった
「...ダメみたいだね、どうしようか」
(バリアを挟んでの
ダンジョン内に戻されるし
バリアを直接だと潰されて終わり
ロックしたってなるとやっぱり鍵は
ダンジョン攻略だよな)
うーんと、考えながらミコトの視界を右往左往
よし!とカイが立ち止まると
「ダンジョンから出れなさそうだから
ここで自衛隊やハンターを待つか
俺らで攻略して、見つかる前に退散するか
どうする?
勝手に入ったから何かしらの処分は降るから
俺としては見つかる前に退散したい」
話をそこまで聞いたミコトは
装備し始める
「...ん?カイは準備しないの?」
カイも慌てて準備を始め
二人は奥へ進んだ、5分ほど道なりに進んだ先に
分かれ道があり
「右か左かどっちにするかなぁ」
すると、ミコトが
ベルを取り出した
「...これミラからもらったアイテムで
警告の鈴って言うんだ」
そのアイテムは使用者の危険を赤
安全を青の光で導く
「すげぇな、右が赤で左が青だから左に進むか」
カイ達は通路を進んだ
ポチャン...ポチャン...
(3347...3348...)
黄金の毛並みに
鋭い牙そして爪
紫の眼を持つ
存在が
静かに水滴が垂れる音を聞いていた
(...?ナニか入ってきたな
なんだ二人分の生命反応だか
片方気配が...)
スッと立ち上がり
【ダンジョンをロックしますか?】
「あぁ、他の奴らに邪魔されたくない」
【ロックしました】
ふふっと笑い声が漏れる
「さぁ、私の退屈を消してくれ」
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