第23話 部活紹介と墓参り
【スキルを獲得しました】
(新しいスキルか)
“スキル・鑑定”
対象のステータス等を詳細に分析できる
「おぉ、いいスキルー
...でもなんで今なんだ?
確か俺のスキルの中に...」
“パッシブスキル・技術促進”
稀に受けたスキルを覚えている事がある
スキルを使うごとに熟練度が5上がり
限界値がなくなる
(これだ!...でも稀に受けたスキルを覚える
って事は誰かに見られたって事か
えー、でも誰がそんな事...
考えてもわからんしなぁー)
うーんと唸りながら歩いていると
カイは後ろから肩を叩かれた
「おはよ!カイ」
サクラだった
「お、おはよう」
ぎこちない挨拶だか
カイにしては頑張った方だろう
学校に着くまでサクラと他愛もない話をして
学校に着いた
今日は午後から部活紹介があり
カイ自身、部活に興味があった
次々部活が紹介されていく中
カツカツと音を立て
銀色の鎧甲冑の女子生徒
黒いローブを着た魔法使いの様な男子生徒
など複数人がまるで異世界から出てきたような
格好をして出てきた
鎧甲冑の女子生徒が大きく息を吸い
「私たちはダンジョン探索部です!!!」
この部活ができたのは今年かららしい
(最近流行り始めた“ハンター”もどきかな?)
少し前のダンジョンの出現により
スキルを使った職業が
最近のニュースの話題になっている
今での職もそうだが
特に話題に上がるのが
スキルを使いダンジョンに潜る
国から認定された“ハンター”という職業
ダンジョンやスキル、ハンターに
ランクがつけられた
危険性の高い、命懸けの職だが
なにせ報酬が良い
A〜Gまでの危険度があり
Gランクのダンジョンのアイテムですら
1つ数十万で売れたりもする
Gランクのダンジョンなら
弱いモンスターが多いためか
一般開放もされており
きっと部活ではそういう所に行くのだろう
そんな事を思いながら
カイはこの部活に強く惹かれていた
「....以上で!部活説明を終わりにする!
諸君!ダンジョンには夢がある!
スキルを持つ者、持たぬ者関係なく
興味を持ったなら入って欲しい!!!」
部活紹介が終わり見学期間がやってくる
約二週間
各部活やはり最初は優しく歓迎されるのだろう
そう思いながら帰路に着く
(ミコトとか、やっぱりダンジョン探索部に入るのかな?俺ん家は運動部じゃないと部活させてくれないけどダンジョン探索部はどうなんだろう)
ガラガラ
「ただいまーって
そうか今日臨時休業だったな」
今日はカイの父方の祖父の命日で
学校から帰ってきたらそのまま墓参りに行く
そういう話になっていた
(ちょうど制服だし着替えなくていいから
さっさと呼んでくるか)
2階に居る両親とレイを呼び
4人で墓参りに向かった
(レイを連れてくのはどうかと思ったけど
親父が連れてってもいいってのが意外だ
姉貴の中学時代の制服があった
母親が捨ててなくてちょうどよかった)
「カイ、線香お寺で
もらってこい」
ピン!と200円を投げカイがキャッチし
そのままお寺の本堂の方へ、いつもの坊さんが
線香の束を2つくれた付いてきていたレイに
線香を預け、水道にある柄杓と桶を用意して
親父達の元に向かう
「のう、カイよコレはなんじゃ?」
不思議そうに線香や柄杓を見つめるレイ
(あー、日本の風習だもんないや
そもそもレイは別世界から来てるから
根本的に違うのかな?)
「これは、自分の血縁者のお墓参りだよ
俺の爺さんと婆さんの」
未だピン!ときていないレイ
「死んだ者のためにする事でいいのか?」
「そうそう、毎日って言ってな多分だけど
その人を忘れない為のもの月命日ってのもあるんだけど、ウチはあんまり出来てないな」
親父達と合流する
カイは母親が持ってきた掃除用具で
墓を拭いて、母親は花瓶を洗う
レイもわからないながら手伝う
親父は線香に火をつけ始め
掃除や周りの飾りつけが終わり
親父、母親、カイ、レイと線香を備え
手を合わせる
祖父母の墓をあとにして
親戚周りの墓を回る
すると
「あれ?火がつかんな」
親父の持っていたライターが燃料切れをおこした
車にあったかなぁと戻ろうとするが
レイが
「妾に貸してみよ」
「ん?レイちゃんライターかマッチでも...」
すぅ.....ぼ!!
あっと言う間にレイのブレスで火がついた
「うぉ!なんだコレ!?
....まぁ、いいか火、着いたし」
(いいんだ!?結構不思議な現象ですけどね!?)
レイはカイの方を振り返りVサインしている
(周りに人いなくてよかった...)
そう考えて線香を備えて回る
親父は気にしてなかったけど
「....ねぇ、カイ?レイちゃんって」
やはり母親は気になるようで
(どうしたもんかなぁ、外人って事で
前は片付いたけど今回ばかりはなぁ
人の域を超えてるしなぁ)
「母上殿!妾は火を扱えるんじゃよ」
とニコッとレイが母親に説明するが
「???」
尚更、混乱する母親
(まぁ、そうなるよなぁ)
そんな話の中、親父が
「世の中不思議なことなんざザラにある
その中の一個ってだけだろ、火を扱えるってことは
火傷とかしないのか?、ならウチの手伝いしてもらっても大丈夫そうだな」
「わかったぞ!親父殿!妾も手伝う!」
いつの間にかレイがウチを手伝う事になった
(レイがノリノリだから
嫌になるまでは放っておくか)
「そういえば親父!ウチは部活入るのが基本で
運動部入るのが決まりだろ?」
「そうだな、別に決まりって訳じゃないが
他の兄弟はそうしてたな」
カイ自身すこし賭けだと思ったが
「今ダンジョン探索部って部活に入りたくて
正直運動部みたいな所だからいいかなって」
カイは正直、部活関係なく
手伝いをさせられるのではと考えていたが
兄弟は部活で手伝いがなくなっていたので
カイ自身も手伝わなくてもいいのではと
期待をこめて聞いた
「ダンジョン探索部?いいぞ」
あっさり許可が降りた
(あれ?なんか変な気がする
いやでも部活だからか?学業優先だし
ウチ“働かざる者食うべからず”だし)
「たぶん、土日も放課後も
部活あるけどいい?」
母親が会話に混ざる
「いいんじゃない?
レイちゃんにも手伝ってもらうし
ダメだったらダメでどうにかするわよ」
(なんか意外だ)
帰宅後母親がレイに
接客、調理(火が扱えるから)
を教えて夕飯も研修がてら
料理を出す練習をした
レイはそういう事をするのは初めてで
とても楽しそうにしていた
その後片付けと仕込みも教えてた
「...教えすぎじゃね?」
カイの疑念に、親父が返す
「お前の穴埋めだからな、そりゃあ
こんぐらいは教えるだろ」
やはり自分の仕事量は普通ではないのだと
ひっそりと思うカイであった
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