第22話 営業終わりにて
家に帰ると客が増える時間帯になっており
仕事の準備の為
階段を上り、自室へ向かう
ガチャ
「おかえりじゃ、カイ
なんか下が騒がしいの」
本日営業再開の事を知らないレイは
不思議そうに話す
「あぁ、営業してっからな
俺もこの後手伝いに行かんと行けないから
レイは悪いけど待って」
レイが抱きついてきた
(なっ!?)
「.....女の匂いがする」
ボソッとレイが呟く
「ミラやミコトではないな、誰じゃ?」
少し拗ねたようなレイであったが
「おーい!
カイ!まだか!?」
父親の声に
カイはそれどころではない
「悪い後で説明するから
服を着替えしたに降りる
忙しい厨房に、お客の声が響きわたる
シンクには洗い物が溜まっており
急いで洗って食洗機にかける
材料の仕込みもやってない
「まじかよ...」
(いつも俺が仕込みして
食器洗ったり、掃除してるけど
俺がいなかなった後どうすんだろ)
この店の仕事負担率は
父が30%
母が20%
カイが50%ぐらいだろう
(バイト代くれるし貯金できるから
やってんだけど、中学生の時は時給じゃなくて
日当だった1日千円
当時は今と比べて半分くらいしか出来なかったし
仕方ないと思ってたけど
高校生になって時給にしてと頼んだら
あっさりOKをもらった
親的には、他にバイトされて
戦力ダウンが嫌だったのかなとか思った)
ガラガラガラ
「おやっさん、お袋さん
カイちゃんご馳走様!
また来るよ!」
この常連を最後に店を閉めた
「親父、この後は?」
看板を退げ
のれんを下ろし
カイは父に話しかける
「あー、卸業者の佐々木さんと呑みに行く」
父はそう言うと、出かけてしまった
母はというと、体が不自由な
祖母の為に余った食材を使って作り置きを持って
閉店30分前に上がっていった
「ふぅー、疲れた
最近ばあちゃんに会ってないなぁ
今度久々に会いに行こうかな」
店の中の電気を消し
厨房だけ明るい状態
テーブルをふき
椅子を整頓し
溜まった洗い物を片付ける
「ふぅ、片付けはこんなもんかな」
すると、階段を降りる音がする
「カイ?妾お腹すいたぞ
お昼ご飯の後お菓子を貰ったが
晩御飯が食べたいのぉ」
もう21時半を回っていた
「おぉ、ごめんな
今から作るわ」
冷蔵庫に余っていたキャベツ
人参、玉ねぎなどの野菜と
豚肉で野菜炒めを作る
米を炊いてレイと食べる
「うちの親からなんか言われたか?」
「いんやぁ、特にはないのぅ」
飯を食いながら今日あった事を話した
食事も終わり食器を片付け部屋に戻る
「これから亜空間に行くぞ」
レイが少し内密にしたい話があるとの事で
亜空間に移動する
「で、話って?」
レイの話は
これから起こるであろう戦いと
その原因についてだった
レイとミラを含めた
20の種族が1つになるまで戦い
レイ達のある世界の王を決める
王になるとその種族が全てを独占できる
契約者は最後の1人になれば
なんでも好きな願いを叶える事ができる
そういう戦いである
そして、カイ達のいる世界と
レイ達がいた世界は当然違うもので
カルー、トーカという
二つの大陸がありレイは
トーカから来た龍族の代表で
種族によって強さや希少価値があり
龍の中でも数少ない
白銀龍族の王女
強さと希少性で言えば本来は
序列一位でもおかしくない
だか、今回の序列一位は一族ではなく
一個体が故にレイが序列二位になった
(前にミラが言ってた序列二位ってのはそれか)
「妾達の目的は各種族をまとめる
王を決める事じゃ各々で戦えばいい事なんじゃが
公平な戦いにする為に
こちらの世界で
基本的にはそんな感じかの」
カイはどういう種族がいるのかレイに聞いてみた
「気を付けておきたいのは
まず
唯一、
そして次に
エルフとも言うが魔法がとにかく得意じゃ
あとは、
故に序列一位の存在じゃ
全身が宝石や魔石で出来ており
魔石が厄介で一つあれば街が
壊滅してもおかしくないほどの
威力を発揮する魔法が込められている
警戒するのはそんなとこかのぅ
妖精族と似たのだと
もいるのぅ
日中は平気しゃが
夜は
あ、因みにミラは
「...別世界かぁ
実感湧かねぇなぁ
そりゃぁ、レイがドラゴンだから話自体は
わかるけどさ
そっちの世界の王様かぁ
スケールがデカすぎてよくわからん」
食後の運動がてら二人で戦闘訓練をした
翌日、登校する為に家から出たタイミングで
【スキルを獲得しました】
(え?今?なんだろ)
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