第19話 入学式と報告書
ミラ達に勝った
「妾達の勝ちじゃな
勝った方は負けた方になんでも
要求できるみたいじゃからそうじゃの」
レイが着替え終わった俺に近づくと
「またこういう連中が増える
味方は多い方がいい
なんせ、ラビットホール
あれはかなり便利じゃ」
そうだよな
しかもミラとミコト2人とも使えるから
別行動とか便利よな
「なに?その表情
すごい嫌なんだけど」
レイも俺もニヤニヤしながら
2人に近づいていく
「ミラ、そしてミコト
妾達の仲間になれ」
「えっ!?そりゃあ
願ったりだけど、なんで?」
(ミラって少しアホの子だよな)
ミコトは予想してたのか慌てた様子はない
「味方は多い方がいいからの
それに2人とは気が合いそうと思ってな」
その後、ミコトと連絡先を交換して
各々、帰っていく
そして、春休みもあけて
高校の入学式!
校門をくぐりクラスを確認していると
「...やぁ、元気?」
ミコトがいた
「え?ミコト?
....あれ、タメだっけ?」
周りに気づかれない程度の
小さなラビットホールを足元に展開され
転びそうになる
「...失礼な、同じ新一年生です」
ミコトと他愛もない会話をしながら
同じクラスだったから教室に一緒に行く
教室に着くなり、移動だと言うので
体育館に移動した
「新入生!起立!」
入学式は何事もなく行われた
そして午前中で終わり
家に帰ると
「カイ!この娘は?」
そこにはレイが椅子に座らされてた
今まで入院してた親に紹介してない
「カイぃぃい...!!!」
何故だか涙目のレイがいた
「ニュースをお伝えします...」
俺は橘 直樹(タチバナ ナオキ)
これは俺があの日からまとめた報告書だ
3/12
世界各地で地震が発生
後にダンジョンと呼ばれる
得体の知れない建物が出現
それに伴い各地で巨大生物が報告される
3/13
ダンジョンからモンスターと呼ばれる
二足歩行の獣や
四足歩行の獣が確認された
モンスターはダンジョンから出ることは
ないと言われている
周りに近づかなければ襲ってくることもないので
一般市民には近づかないよう呼びかける
同日
世界各地でスキルという
特殊技能を持つ人物が報告された
1人につき1〜2つが基本だが
例外があってもおかしくない
3/15
ダンジョンに入った市民が死んだ
火炎という攻撃に特化した
スキルを持っていた
3/17
各国で
ダンジョン・モンスター
対策本部が結成された
スキルを持つ者を集めて訓練し
ダンジョン攻略
モンスター駆除を目的とする
3/20
アメリカ・オーストラリア・イギリス
この三国でダンジョン攻略が行われた
アメリカは3部隊9人編成し
...誰も帰って来なかった
オーストラリアは2部隊8人編成し
帰ってきたのは2人
イギリスは5部隊20人編成し
3人
どの部隊も死者・負傷者をだし
ダンジョン攻略は失敗に終わった
3/22
先日のダンジョン攻略をふまえ
各国首脳会議が行われた
そして
ダンジョン・エンド・メイカー
D.E.Mが結成された
3/28
D.E.Mの中でランクシステムが導入された
ランクに応じて賞金が与えられる
保険のようなものだろう
4/1
遂にダンジョンを攻略!
イギリスのダンジョン
10部隊30人編成で20階層まであったらしい
5階毎にボスモンスターがいて
倒すとアイテムをドロップする
通常モンスターはごく稀に落とすが期待はできない
攻略が終わるとそこにあったダンジョンは
無くなり空き地になってしまう
そして死者・負傷者だが
死者20人
負傷者10人
誰一人無事じゃなかった
負傷者の中には精神を病んでしまった者もいる
生き残った者には攻略を進める者と
辞めてしまう者に分かれてしまったという
報告書を見ながらタバコを吸う
「ふぅー、どうすんだろうな
なぁ、シュルク・メイラ・ターメル」
そう呼ばれた少年
「けほけほ...煙いよナオキ
そうだね俺達はまだ動かなくて
いいんじゃないかな?」
目の下にくまをつくり疲れた様子のナオキ
そして煙たがるシュルクの会話が
廃ビルに響く
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