第18話 決着

ドーム状に展開されるラビットホール


銃弾やナイフが弾幕ように迫ってくる


戦斧を構え弾くが


カン!


「やべぇ」


ラビットホールの効果で


戦斧が手から離れ無防備になる


(どうするどうする、アレしかねぇけど

一度も成功してねぇんだよなぁ)


スゥ....


カイは深く息を吸い込んだそして


Sスキル・ドラゴンブレスを使い


迫ってくる飛び道具を弾き返した


(...このくらいじゃ弾かれる

なら更に数を倍にすれば!)


裂け目から倍以上の飛び道具が


カイに向けて飛んでくる


先程のブレスが終わることなく


カイの周りを覆う


「なっ!?」


ミコトが驚くのも無理はない


飛び道具を弾くため覆われた


ブレスの隙間から見えたのは


先程までの少年ではなく


全身、白銀の龍の鱗で覆われ


ドラゴンの翼に尻尾があり


中性的な顔立ち


耳にかからないくらい

だった髪が長髪に


ドラゴンの片角


目は金色に光っていた


「ふっ、やっとじゃな

ミラよ

あれが本来の共鳴じゃ

妾の特徴がカイに現れて

金色こんじきの瞳になっておるじゃろ」


【共鳴化に伴いスキルの限定解除

更に限定スキルが解放されます】


(スキルの限定解除?限定スキルって)


【限定解除】

・スキルのインターバルがなくなります


【限定スキル】

龍騎士ドラコ・ナイツ

・龍の力が宿り

あらゆる身体能力が上がる


三龍咆哮ドラコ・フレア

・ドラゴンブレスを使うと左右から

ドラゴンが現れ合わせてブレスを放つ

ブレスは一つになりレーザーへ変化する


龍爪撃ドラコ・ネイル

・指の動きと連動して大きな龍の爪が出る

指の動きと連動し

拳を握ると一枚の爪になる


【限定固有スキル】

???


(固有スキルが???なのは気になるけど

今はそれどころじゃないよな)


地面に穴を掘りドーム状の


ラビットホールから抜け出し


空中に逃げる


(...また、閉じ込めるのは難しいな

周りに展開し続けるしか)


追いかけるようにライフルと飛び道具が飛んでくる


拳を握りドラコ・ネイルで弾き返し


銃弾によるラビットホールを覚悟したが


スキルによる防御は飛ばせないみたいで


飛び道具と同じように弾く


「...私は負けられないんだぁぁ!!!」


四つのライフルが一つに


ロケットランチャーに形状を変え


四つの銃弾が飛ぶ


弾は螺旋を描き一つに重なる


巨大な弾を前にして


少年は笑う


「やっとお前が...

ミコトが本気になってくれた

そしたら俺だって」


俺は大きく息を吸う


肺に満杯に


腰を落としイメージはやっぱり


白銀龍のブレス


レイはまだまだ本気じゃないだろうけど


すると、両肩に小さな龍が現れる


両方から前方にブレスが放たれる


そのブレスは溜まり続け


俺のブレスでこの技は完成する


「いくぞ!ミコト!

三龍咆哮ドラコ・フレア!!!」


ブレスは一つになりレーザーになら


銃弾とレーザー正面からぶつかる


ラビットホールの効果でみるみる


レーザーが呑み込まれていく


上空にレーザーが飛ばされ空は割れる


だがラビットホールにも限界があるようで


銃弾が消滅した


ブレスを止めてミコト近づく


「...くそ...これ...じゃあ..」


膝をつき倒れる


意識が朦朧とする中


体に力を入れるが


ミコトの体は既に限界だった


(もう、勝負はついた

これ以上は...)




「いいのか?まあ限界のようじゃか?」


「ミコトは、まだ...」


「いい加減にせんか!

あやつはお主の為にどこまで身を削ればよい!

お主の願いを叶える道具か?

違うじゃろ、お主のわがままに付き合わせ

使い潰す為に契約したのか? 

もう少し契約者と向き合うべきじゃ」


(...ミコト、君はどうしてそこまで)




地を這いながらカイを睨む


「...まだ...終わって...な..い」


対峙する2人の間に


少女は駆け出す


自分の為に戦うもう1人の少女の為に


「...ミラ?...な..んで?」


倒れている少女ミコトに駆け寄る少女ミラ


「もういいんだよミコト」


ミラはミコトを抱き寄せる


「勝負は妾達の勝ちじゃな

ところでカイ、なんで共鳴化を解かない?」


「...服が焼け焦げて無くなったから

今戻ったら裸だぞ!女子三人の前で!」


ミラがラビットホールで


カイの部屋から服を持ってきてくれた


結果はミコトが戦闘不能ということで


カイ達の勝利


するとレイがニヤニヤしながら


ミラに近寄る


「ミラよ、そちらが勝ったら

妾が下に着く話だったが

妾達が勝ったらというのは決めたなかったなぁ」


ミラが息を呑む


レイが何を望むか見当もつかない


「そうじゃな.....アレがいい」


着替え終わったカイに耳打ちをし


二人してニヤニヤしている


「それでは....」

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