第17話 決闘④
ミコトが手を振り翳し空を見上げる
すると天から黒い雷がミコト目掛け落ちた
突然の落雷に目を瞑った
目を開くとミコトの変化に驚愕した
ウサギの耳に
黒髪は白のメッシュが入って
肌は少し黒く
白い稲妻が周りを走る
武器は大鎌を持っていたのが
いつの間にかライフル銃が4丁ほど
周りに浮いている
龍の威圧で動けないはずのミコトが
動けるようになっていた
「あれが共鳴...っ!?」
と、気付いた時には吹っ飛ばされていた
反応する前にライフルから
弾丸が放たれ俺に当たるや否や
別の場所にワープする
弾自体がラビットホール
銃弾に効果は付いているが
ちゃんとダメージもある
飛ばされた先はやはり
空
「またか、今度はどうすっかな」
そんな悠長に構えていたが
カチャ
真横に銃口を突きつけられた
それも、こめかみの所
そこにライフルを構えるミコトがいた
(嘘だろ!?弾だけじゃなくて
本来のラビットホールも使えんのか!?)
咄嗟にミコトに蹴りを入れて避けるが
避けた先に裂け目が用意されており
「うぉっ!?」
また飛ばされた先に俺は叩きつけられた
ガツン!
ミシミシと鳴る右の背中
地上の岩のところに繋がっていた
(やばいやばい、逃げた勢いで岩にぶち当たった
これじゃ避ける度にどっかぶつけて
ダメージが...)
「...どう?これが共鳴だよ
君が本気を出せって言ったから
ここからは全力だよ」
空中に浮遊しながらこちらを見下ろしている
(あのライフルの弾が1番やばい
ミコトから離れて動くライフル4丁
当たればダメージ入るし、別の位置に
吹っ飛ばされる、弾を警戒しながら
ミコト本体を叩くしかないよなぁ)
(共鳴自体あんまりした事ないから
どこまで待つかわからないミラから指示もないし
どこまでやれるかわからないけど
早々に決着をつける!)
ライフル同士が弾をぶつけ合い
無数のラビットホールが出来上がった
カイの周りは裂け目だらけとなった
ミコト、ライフル、弾が各々
ラビットホールを使って移動する
龍の勘を使っても3秒後には吹っ飛ばされている
「痛ってぇ...」
もう何度も飛ばされ、岩にぶつかるわ
空中から落とされるわで散々だった
ふと、ミラがレイに
「レイ、これだけの劣勢で
まだ勝てると思ってる?」
レイは欠伸をしながら
「はぁ〜....ん?あぁ大丈夫じゃろ」
ミラは余裕のレイに続けて
「なんで!?ラビットホールで
まともに動けないんだよ?
共鳴で威力も範囲も上がってる
反撃すらできてないじゃないか!」
「なに、簡単じゃよ
“
確かミラとミコト出会ってから1〜2ヶ月と
言っていたな、おかしいんじゃよ
そんな短期間で信頼関係出来るわけない
ミラの発言からミコトに対して
利用価値があるとそう感じる
逆にミコトはミラに対して寄り添っている
使われている自覚がある
そんなとことじゃ
故に、この共鳴は不完全じゃ
ほれ、見てみぃ」
ミラはミコト達の方へ視線を向ける
攻撃を受け縦横無尽に
飛ばされているカイより
ミコトの方が息が上がっている
「共鳴自体、不完全
体力の消耗も激しいうえに
本来の力が出ておらん
精々あと1分もつかどうか」
冷静に分析されると、改善点が多すぎる
的確にそれを言い当てられた
レイの言葉に焦るミラだった
「...はぁ...はぁ....はぁ」
(...もう限界が近いそろそろ倒さないと
共鳴化も切れるし動けなくなる)
縦横無尽に飛ばされ続けるカイであったが
戦いの中でミコトが何処に飛ばしたいのか
何処から撃ってくるのか
飛ばされたら何処に行くのかなど
予想しながら、ライフルの発射音と同時に
龍の勘を使い受け身をとっていた
(やべぇやべぇ、一個ミスったら大怪我だよ
ミコトの表情を見るにそろそろ
決着を付けたいみたいだな)
ミコトが弾を撃つのを一旦やめ
カイと距離を空けて対峙した
次の瞬間、無数のラビットホールを展開
カイの視界を埋め尽くすほどの数
半円いや、半球
ドーム状に展開されたラビットホール
「...これは全てドーム内で繋がってる
干渉できるのは私だけ、逃げ場はないし
君が倒れるまで攻撃はやめない
飛び道具を大量に使うし
共鳴化だからこの数ラビットホールを展開できる
あと、ライフルも使うから弾に当たると
ドーム内のどこかに吹っ飛ぶから
....死なないでね」
(え?やばくね?)
決着を急ぐ少女、焦る少年
今度こそ勝利を確信したウサギ
そして...
余裕の笑みをこぼす
ドラゴン娘
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