第15話 決闘②

「..っそ!くそ!なんで当たらない!?」


焦るミコトの攻撃を弾きながら


レイとの、特訓を思い出す


P・Sパッシブスキル・龍の勘”で動きを予測していたが


レイのスピードには追いつかない


そんな中、編み出した


予測の予測


相手の呼吸、体の動き、目線、音


情報はいっぱいあった


一つ一つが俺に対処の仕方を教えてくれる


ミコトは、裂け目を使った


高速移動をして


背後を狙ってくるが


攻撃の数はひとつだけだ


特訓の時は火の玉ブレスが


弾幕のように放たれたり


岩も一つならいいけど


割られて石の雨になったり


レイ自体の攻撃があったり


休む暇なく


P・Sパッシブ・スキル

Sスキルなど闘って行く中で


覚えた感覚を研ぎ澄ませて避けたり


攻撃を捌いたりしていた


「....なんなのあれ

一発くらい当たってもいい頃でしょ」


「あの感じじゃと、攻撃が当たらんようじゃの

逆に弾かれて、体力消耗に繋がっておる

戦闘スタイルから見て

ミコトだったかの?

体力はなさそうじゃ」


攻撃が当たらない


そう気づいたミコトは一度姿を消した


「...どこだ?」


プシュー


何処からか出てきた煙玉で


周りはどんどん視界が悪くなる


ヒューン


「うわ!」


投げナイフが飛んできた


たまたま正面だったから戦斧で


弾いたが、その後次々と


ナイフが飛んできた


「...君には...飛び道具の方が有効みたい」


どんどんナイフやら石やら物が飛んでくる


「くそ、数が多すぎる」


Sスキル・疾風を発動させ


弾きまくる


第一陣を突破したが


「...次は、避けられないし

弾ききれないよ」


第二陣がそこまで来ている


もう限界だ、無理だな


そうして俺は


「炎熱網!」


炎熱網は熱の幕を内から外に貼る


その効果で周りの物を吹き飛ばす


これで形勢逆転...


「....そうくると、思った」


待ってましたと言うが如く


俺の足元には裂け目が開いた


「うぉ!」


炎熱網を発動したばかりで


体制が整っていなかった


そのまま落ちていく


「...何かしらのSスキルで避けたり

弾いたりその隙に

落としてやろうと思ったんだ


空に」


空、翼がある者の領域


人の体だけでは入れない領域


「よし!よくやったミコト

これで僕の勝ちだね、レイ

.....レイ?」


勝利を確信したミラだったが


レイの表情に、戸惑いをみせた


「何を言っておる、ミラ

勝負はこれからじゃ」


雲の間を抜け、少年は落ちている


「おぉ、雷雲の中

落ちんのは初めてだな」


雷鳴が轟くなか


少年の頬が上がっていた


そして、戦斧を握り


武器スキル“重量操作”


武器スキルによる急加速で


ミコトの所まで流星のごとく落ちていく


「あの子、死ぬ気!?」


ミラの言葉をよそに


楽しそうだなぁ、妾もやってみたい!


そんな事を思うレイであった


「....えっ!?」


急加速に驚いたミコトは


ラビットホールでカイを


別の場所に飛ばそうとしたが


展開するラビットホールだか


急加速中のカイの方が速い


ラビットホールが間に合わず


カイが急接近してくる


あと30m...20mのところ


ぶつかると思ったが


ミコトが見たものそれは


「...嘘

なんで、なんで飛んでいる!?」


人は空を飛ばない


普通のことだ


でも実際飛んでいる奴が目の前にいる


(接近戦ではこちらが消耗するし

飛び道具は弾かれる

ラビットホールを使って落下させても

今度は飛んできた

一体どうしろと?)


もう、共鳴あれしか...

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