第14話 決闘①

決闘当日


ミラとレイが用意した亜空間にいた


空は黒く暗く雷鳴が響く


地上には白銀の大地


ミラの作る亜空間は


レイとは逆で黒の世界


周りを気にしていると


ミラが話し始めた


「よし、それじゃあルール説明

1対1、契約者のみ

僕とレイは手を出さない

降参させるか

戦闘不能にしたら決着だよ

負けた方は

勝った方の要求をのむ事」


「そうか、妾はいいがカイはどうじゃ?」


「うーん、要求次第かな」


決闘と言うくらいだから


それほどまでして


欲しい何かがあるということだ


ミラが答える


「僕が欲しいのはレイ

君が僕の下に付くこと

序列二位のレイが付けば

この戦いも勝ったようなもんだからね」


序列二位?


レイやミラ達の中で序列があるようだ


ミラがどの位置だかはわからないけど


俺達を潰したいというより


レイや俺を、部下にして


戦いを有利に進めたいようだ


「妾の加護を持つ守護者に勝てるとでも?」


余裕の表情を浮かべるレイ


それに対してミラは


「うん、だってミコトと僕は

共鳴も出来るからね」


「「!?」」


俺とレイが驚くのも無理はない


俺達は一週間、一度もできなかった


そんな俺たちをよそに


「....私達が共鳴出来るようになったのは

あなた達と出会う少し前

....まぁ、出来るようになったから

ミラが決闘を申し込んだんだけど」


そういうミコトを誇らしげに見ているミラ


「というわけで、僕達が勝ったら

僕の下に付く

レイが勝ったら....

まぁ、無いと思うけどw」


「そもそも、妾が戦うわけでもない

共鳴は、予想外ではあるが

カイが負ける事はない

妾達が勝つ」


戦う前に儀式がある


ミラとレイが儀式を始めた


「ミラ・ルーン・ファラード」


前にも思ったけど


ルーン・ファラードってかっこいいよな


「レイ・シルヴァ・オルベール」


シルヴァ・オルベール!?


レイの本名か...


「両者の名において、宣言する!

雷黒兎の隠し子 《バッドラビットホール》」


「白銀龍の聖騎士 《ドラゴンパラディン》」


「「決闘、開始!!」」


ミコトが開始を合図に裂け目を展開


その裂け目から、大鎌が現れる


それを俺目掛け、振り下ろす


「やはり、あの裂け目契約者のスキルか」


「うんミコトのスキル・兎の巣穴ラビットホール

あの子の二つ名の由来になったスキルだね

任意の空間巣穴のような別の空間を開ける

同時に3つまで作れる

その巣穴へ、瞬時に移動も可能

さらに、アイテムなど出し入れできるから

かなり便利だよ」


俺はバックから、戦斧を出して応戦する


「..へぇ、受け止めたね

それに比べて

...ミラは....スキルの内容をべらべらと

まぁ、知られても

対応出来るものじゃないからいいけど」


打ち合った次の瞬間


ミコトの足元に裂け目を作り


落ちるように移動を始めた


「マジかよ、そうだよな

そういう使い方するよな」


レイの高速移動に近い動きで


後ろをとり続けるミコト


だかしかし


レイより速いことはない


10日間、レイとみっちり特訓した


「...なんで!?」


ミコトが驚くのも無理はない


裂け目を使い必ず背後をとっている


にもかかわらず、必ず反応してくる


「嘘でしょ!?なんで反応できるわけ?」


ミラも見ている光景が信じられない


そう言いたげだが


「そりゃそうじゃろ」


「いったい、俺が」


この10日間


「「“誰”と特訓したと思ってる」」


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