第12話 特訓

「よし、まずは亜空間に移動するぞ」


亜空間?ミラとも話していたやつだ


レイが手をかざすとそこから


“黒いもや”が出てきた


「これが亜空間?」


「そうじゃ、妾達が作り出せる空間

ここなら周りを気にせず準備ができるぞ」


そう言うと、レイは中に入って行った


俺も、レイを追うように亜空間の中に入った


そこは、白銀の世界だった


空は雲ひとつないのに真っ白


周辺には巨大な岩がいくつもあった


「ここが妾の世界、腹もすかんし

睡眠も必要ない」


「へぇ〜、それで...特訓って?」


それから、対人の経験がない俺は


レイと延々と模擬戦をすることになった


「スキルに慣れるためにも

どんどん使うんじゃ

妾は随時移動して

水晶玉ほどのブレスを放つ

妾の攻撃を避けながら

カイの攻撃を当てるんじゃ」


開始の合図と、ともに


レイが消えた


パッシブスキル“龍の勘”が発動し


レイが居場所がわかった


俺のはるか上空、すでに


レイはブレスのモーションに入っていた


連続でブレスを放ち


火の玉ブレスが50〜60個ほど


弾幕のように迫ってきている


避けきれないし弾くこともできない


「まじかっ!?」


近くの岩に身を隠す


するとまた“龍の勘”が発動し


真横にレイが現れる事を予測したが


すでに横にレイがいて


虫を払うが如く


手で払う仕草をする


しっし!とばかりの仕草だったが


なんと、岩ごと吹っ飛ばされた


下から、すくい上げられた風と一緒に


岩と俺はそのまま上空へ


火の玉を背にする形になった


レイは既に移動して


俺の正面に来てブレスのモーションに入った


前には今にもブレスをしそうなレイ


後ろには火の玉の弾幕


上には岩とその破片が大量に降り注ぐ


「もう...これしかねぇなぁ!」


バックから戦斧を出し


武器スキル重症操作を発動した


ガクン!


レイはブレスを吐いてすぐに


次の場所に移動していた


上に前後と逃げ場はなくなり


下に逃げると思い


下からブレスを吐いて上に逃げさせ


飛翔や加速、武器などを使わせて


岩を破壊し攻撃しながらの高速移動を


覚えさせようとしていたのだが


カイの答えは違った


ゴツン!


戦斧がレイの角に当たったのだ


上空では火の玉と岩が合わさり


今にも


火と石の雨が降り注ぐ


そんな状況だった


「ちと、予定とは違うが

まぁいいじゃろ合格じゃ」


そういうと、大きく息を吸い込み


ブレスのモーションだが


少し違った


タメが長い、火の玉ブレスは


あんなにポンポン出してたのが


3〜4秒溜めてる


「よく見ておけ!

これが妾のドラゴンブレスじゃ!!!!」


キュィーン....


金属音にも似た音とともに


レイザーのようなドラゴンブレスが放たれた


ドカーン!!!!


パラパラと音を立てて石が砂くらいになった


「どうじゃ?すごいじゃろ!」


砂埃が舞うなか


白銀の髪を靡かせ


満面の笑みを浮かべるレイがそこにいた


綺麗だと思った


「いったん、休憩にするかの」


それからも模擬戦を続けて


空中戦、地上戦を繰り広げた


そして3日ほど過ぎた...

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