第10話 お空...青い...

「うわぁぁぁあ!!!!」


御堂 凱ミドウカイ15歳今、空にいます


なんでこんな事になってるか


それは数分前


「行くぞ!カイ!」


銀髪のドラゴン娘レイに手を引かれ


商店街を抜けたところ


開けた場所まで出たところで


レイが翼を広げた


「翼はえた!!!???」


「そりゃ、ドラゴンだからの!」


そのまま腰を落とし翼を広げ今にも飛ぶ勢い


「...待っ」


翼は大きく羽ばたき


俺の顔にはその分、風圧がかかり


頬はあげられ


髪は吹き飛ぶ勢いで後ろに


頬があがった勢いで


目を閉じる形になった


そして冒頭へ


「レイ!レイ!落ちる落ちてる!」


当たり前だ、俺に翼はない


レイは羽ばたきながら俺に寄ってくる


「カイ!スキルを発動せんか!」


スキル?


え?あ!


スキル・飛翔!


「...はぁ.....はぁ死ぬかと思った」


「よし!飛べたな!飛翔はコツがあるから

教えとこうと思ってな」


空を飛ぶのにコツがあるらしく


レイは、ビュンビュン飛んでいるが


俺はその場に浮遊して左右に


少し移動するので精一杯だ


「うーん、どうしたものかのぉ?」


「そりゃ飛んだことないし

移動出来るだけいいと思うけどな」


レイが少し考えていると


何か閃いたようだ


「それじゃぁ、アレじゃの!」


そう言うと、レイは俺の後ろに回り込んだ


アレ?アレってなんだ?


そのまま腕を回し俺を後ろからハグする


「...レイ?何する気?」


嫌な予感がする


ここでパッシブスキルが発動する


“龍の勘”


この後のレイ動きが頭に入ってくる


このあと、光景が目に浮かぶ


遊園地にある、ジェットコースター


アレってのはこれの事か...


「ちょっ!?」


次の瞬間、さっきの比ではないほどの


風圧、体にかかるG、とてつもなかった


ジェットコースターのスピードで


安全装置、レイの腕だけ


そんな状況で飛行するのが


それが20分ほど続いた


「うぷっ....やばい吐きそう...」


近くの公園に降りて水道の近くで吐いた


「カイ、大丈夫か?」


レイのおかげで、飛ぶ感覚は掴めたけど


気持ち悪さは治らなかった


「....」


俺は暫し休憩をとり


ベンチに座った


「...お空...青い」


現実逃避だ、もうやり切った感は凄かった


レイもやり過ぎたのか


降りてから終始おろおろしていた


ジェットコースター20分と


聞く分には大したことなさそうだが


普通は1〜2分のアトラクションだ


待ち時間を挟んだり、休憩したりして


連続で乗るのはある事だけど


ノンストップで20分


スピードは出るわ


いつ落ちるかもわからんし


飛翔スキルの効果時間とっくに切れて


なんならインターバルも終わってる


「...すまんかったの、でもこれで

飛び方はわかったじゃろ?」


レイの言葉に、言いたい事は色々あったが


俺の感想は....


「......お空.....青い」


なんだか、遠い目をしている俺


「カイぃ!しっかりするんじゃぁぁぁあ!!」


スキルに慣れる方がいいと思い


帰り道、飛んだり


加速を使った


店の引き戸に手をかけ


ガラガラガラ


「お!帰ってきた....久しぶり」


そこには、謎の女性が立っていた



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