第7話 翌週

土日を経ると僕の体調はすっかり元通りになっていた。風邪なんて何年ぶりか分からないくらい引いてなかったから、寝たきりが久しぶりだった。


土日は久しぶりにパクリスウェットを飲んで布団の中に入る、ということをずっと繰り返していた。何も考えられないほど体温が上がることはなく、空き時間にMeTubeミーチューブを寝転がりながら見る余裕ぐらいはあった。でも立ち上がる気力はほとんどなかったから、ほとんど立ち上がることはなく、親に食事を部屋に運んで貰って食べていた。風邪が久しぶりすぎて自分が老人で介護されている気分だ。


その寝たきりの間もずっと、文化祭のテーマが何になったか気になるばかりだ。今の時代だからメッセージでもいいかもしれないが、何故か申し訳ない気持ちが勝ってしまい、何度も送信を取りやめた。





学校について3日ぶりに朝勉をする。しかし何かが足りない。なんだ、何が足りないのだ。そう、いつも綺麗な蓮のあのバイオリンの音色が聴こえない。なぜ聴こえないんだ、もしかして木曜日にウイルスを移してしまったのか、はたまた普通に寝坊か。いやいや、蓮が寝坊なんてするはずが無い。もしかして移してしまったのかと不安になっていると、ドアが開く音がした。


そこには蓮がいた。


「蓮、おはよう、こんな早くにどうしたん?いつもの練習は?」


「あ、おはよう蒼、ちょっとね...」

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