第4話 俺、ヤるのか?
俺、ヤるのか?
目の前には舌なめずりをして、肩を上下させている美少女がいた。
ヤりてぇ〜、と素直に思った。
だけど子どもの顔が浮かんだ。妻の顔が浮かんだ。
ヤってしまえば……ココで快楽を求めてしまえば……俺は何度も何度も彼女とヤルだろう。ヤって気持ち良くなって、ヤって気持ち良くなって、を繰り返してしまえば、家族の元へ帰れなくなってしまうかもしれない。
「俺、……子どもがいるんだ」
と四つん這いで迫って来ていた彼女に、俺は言った。
「子ども?」と彼女が首を傾げた。
だけど四つん這いハイハイはストップしない。
「国に子どもを残して来ている。俺は帰らなくちゃいけない」
と俺は言った。
俺は道に迷っただけなのだ。家族の元へ帰らなくちゃいけないのだ。ココには長くはいられない。
「勇者様、私とも子どもを作りましょう」
と彼女が言った。
ダメだこりゃ、といかりや長介が呟きそうなことを思った。
「君とはエッチできない」
と俺はハッキリと言った。
彼女は宝物を奪われたような顔をして、下唇を噛み締めた。
そして立ち上がり、熊のように両手を広げて、俺を襲おうとした。
ヤられる、と身構えたのに、彼女は俺を襲う前に地面に倒れて心臓を抑えた。
「どうした?」
と俺は尋ねた。
「苦しい。苦しい」
とミロが胸を抑えている。
彼女の胸には、麻の服の上からでもわかるぐらいに奴隷紋が浮き出していた。
「俺を襲おうとしたから胸が苦しくなったのか?」と俺は彼女の様子を見て、呟く。
彼女の胸に手を当て、回復魔法をかけた。
奴隷紋は消えない。回復魔法は意味がないらしい。
俺の手をミロが握った。
「私、……どうしたらいいんですか?」
と彼女が泣きそうな声で言った。
「襲ったら胸が苦しくなるし、この体は……したくてしたくて堪らないのに。私どうしたらいいんですか? 私を買ったんだから、ちゃんと責任取ってください」
「責任」と俺は彼女の言葉を繰り返した。
責任とは対応する、という事である。
俺が彼女を買ったのだ。
「君はエッチがしたい呪いにかかっている。俺は家族がいるからエッチはできない。だから君の呪いを解く」
「今すぐに解いてください」
と彼女が言う。
「解けないんですか?」
「解き方がわからない。旅をしている最中に、君の呪いの解き方も探そう」
「それじゃあ、今のこの悶々した気持ちはどうしてくれるんですか?」
「……手伝ってあげる」
と俺は言った。
エッチはできない。でも俺が彼女を買ったのだ。彼女は性奴隷の呪いがかかっている。それを処理するのは俺の責任だった。
「手伝う? どうやって?」
と彼女が尋ねた。
「もう胸は痛くないの?」と俺は尋ねた。
「治りました」
と彼女が言う。
胸に光っていた奴隷紋は消えていた。
主人を襲うことを諦めたから奴隷紋が消えたのかもしれない。
地面に横になって俺を見つめている彼女にゆっくりと近づいた。
「どこが気持ち良いか教えて?」
と俺が言った。
「気持ちイイところを触ってくれるんですか?」
と彼女が尋ねる。
俺はポクリ、と頷いた。
ミロは下半身の聖なる部分を指差した。
「そこは自分で触って」
と俺は言った。
プーー、と彼女は頬を膨らませる。
「それじゃあ、耳がいいです」
とミロは言って、耳に金髪かけた。
誰かが愛でるために作ったような美しい耳だった。
形状は少し尖っているけど、エルフのイメージほどは尖ってはいない。
俺は耳に触れた。
硬い部分から柔らかい耳たぶへ触っていく。
はぁ、と彼女が吐息を漏らした。
「穴に指を入れてください」
と彼女が言う。
小さな穴に人差し指を入れた。
ミロの腰が、波打つように動き出す。
「舐めてください」
「舐めなきゃダメ?」
「舐めなきゃダメです」
俺だって耳を触っているだけでヤバい気持ちになる。ズボンが破けてしまいそうである。
「耳だけね」
と俺は彼女に念押しした。
自分自身にも言っているのだ。
耳だけ。耳だけなら。
綺麗に整えられた耳。
俺は舌を出して、迷路にそうように耳の縁を舐めた。
「あっ」と声が聞こえた。
彼女の右手が、自分の性欲を処理するために聖なる部分を触り始めた。
麻の服はTシャツサイズで、布で作られたパンツが見えていた。
俺は彼女の性処理を見ないように目を瞑った。
洞穴の中に酸っぱい匂いが立ち込めた。
「……耳の穴……舐めて」
と彼女が細い声で呟いた。
耳の穴も攻めてほしいんだろう。
舌を出して、小さい穴をほじった。
濡れた雑巾を踏むようなグチョグチョ、という音が聞こえた。
もう片方の耳は、手で触ってあげた。
しばらく耳を舐めてあげていると、彼女の手が動かなくなる。
「終わった?」
と俺は尋ねた。
「……はい」と彼女が恥ずかしそうに頷いた。
「腕を乗せても大丈夫ですか?」
とミロが尋ねた。
「いいよ」
と俺が言うと、さっきまでナニカをイジっていた手を俺の腰に置いた。
はぁはぁ、という彼女の甘い吐息が俺の顔にかかった。
「勇者様」
と淡い声で彼女が呟く。
「気持ち良かったです」
そうか、と俺は言う。
俺の下半身は彼女のせいでパンパンだった。
それがバレないように、冷静な声を出した。
「ミロは元勇者と一緒に冒険してたの?」
と俺は尋ねた。
「覚えていないんです」
と彼女が言った。
記憶に蓋をしている、とチェルシーは言ったのだ。
思い出したくない過去があるんだろう。
「ミロという名前だった事も覚えていないんです」
「そうか」と俺は言って、それ以上は元勇者の話はしなかった。
「また悶々したら手伝ってくれますか?」
と彼女が尋ねた。
「あぁ」と俺は頷く。
「その代わり、誰かを襲ったりしたらダメだよ」
「はい」
と彼女が言った。
疲れていたのか、彼女が目を瞑った。
俺が彼女を襲ってしまうんじゃないか、と不安になる。
夕日が沈み、洞穴の中は目を瞑っているか開けているかもわからないぐらいの暗闇になっていく。
(作者からのお願い)
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関連作品は『性奴隷を飼ったのに』です。もしよかったら読んでください。
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