第73話 ゴブリンの大群 異常 (5)

【ゴブリンの大群キャンプ】

【離島】

【フィリピン】

【2024年5月11日】

【11:58】


 キャンプを観察し続けると、テントがたくさんある。 また、いかだも複数ある。


 風魔神が現れ、ゴブリンたちに話し始めた。


「儀式を始めろ!」


 ゴブリンたちは男を捕まえ、赤い魔法陣の上に置いた。 それにしても、その男はレンジャー隊員ではないようだ。


 レイラニがヘッドセットを通じて通信してきた。


「ミキチ。 その男は我々の情報によると逃亡犯に違いない」


「なるほど」


「誰か助けて! 助けて!」


 突然、赤い魔法陣が光り、男が悲鳴を上げた。


「ギャー!」


 男は倒れ、体は水たまりになった。死後、赤い魔法陣から茶色のローブを着たゴブリンが出てきた。


 ゴブリン魔術師の外見は、人間と同じくらい背が高く、茶色の長いローブを着て、木製の黒い杖を振るう。


「ゴブリン魔術師よ。汝の軍勢を指揮せよ」


「お望みのままに、風魔神」


 ゴブリンの魔術師は頭を下げた。


「幸運を祈る」


 風魔の王は地面に赤いポータルを起動し、ポータルを通って行った。


 その間にも、別のゴブリンがゴブリンの魔術師に近づいてきた。


「侵入者がいるのか? その者を殺せ!」


 ゴブリンたちは私を探しにキャンプを離れ始めた。


「レイラニ。レンジャー隊を今救い出すべきだろうか?」


「はい」


 ゴブリンのほとんどがキャンプを離れると、私は静かにレンジャー隊のもとへ走った。


 そして、レンジャー隊のメンバーの縛めを解き始めた。


「魔法のランナー?


「はい。あなたを救うために派遣されました」


「ありがとう」


 ゴブリンたちが私たちを見つけた。


 私は矢を放ち、呪文を唱えた。


【呪文:アローバラージ】


 矢が空高く飛び、ゴブリンめがけて複数の矢が降り注いだ。


「レンジャー隊。 ついて来て」


「了解」


 レンジャー隊は私と一緒に走り出した。 また、レイラニが通信してきた。


「ミキチ。 自分の方向へ走って戻って。 ステルスヘリがレンジャー隊を拾う」


「了解」

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