第69話 ゴブリンの大群 異常 (1)

【離島】

【フィリピン】

【2024年5月10日】

【24:00】


 自衛隊レンジャー部隊がフィリピンの離島に派遣された。彼らの任務は指名手配犯の逮捕である。


「こちらウルフ1。ボートが上陸した」


 レンジャー部隊の隊長が無線で連絡した。


「了解。狩りを開始する」


 6人のレンジャーはボートから降り、ジャングルに入っていった。また、隊長は小型の無人機を空中に飛ばした。


「ナイトビジョンをオンにしろ」


 と隊長は命じた。


「了解」


 と隊員が答えた。


 レンジャー部隊はジャングルを捜索し、キャンプをしている逃亡中の男を発見した。


 隊長は手で合図を送り、隊員たちに位置につくよう指示した。


「オーバーウォッチ。こちらウルフ1。獲物発見」


 一方、ドローンは上空からその様子を捉えている。


「攻撃開始」


 レンジャー部隊はライフルを男に向け、男を包囲した。


 男は素早く両手を挙げ、降伏した。


「我々は自衛隊だ。君を我々と一緒に日本に連れて帰る」


「ありがとう。ここから出してくれ。ゴブリンがいる」


「ゴブリン?」


 突然、レンジャー部隊に向かって矢が飛んできた。


「待ち伏せだ!」


「撃て!」


 レンジャーたちはライフルを撃ち始めた。 また、ゴブリンたちが木々から出てきた。


「えっ、ゴブリン?」


「撃ち続けろ!」


 銃弾と矢が飛び交う。


「多すぎる!」


「逃げろ!」


 レンジャー隊は逃亡中の男を連れて逃げ始めた。しかし、ゴブリンたちに完全に囲まれてしまった。


「警戒。こちらウルフ1。ゴブリンに囲まれた」


「ゴブリン?」


 その間、上空の小型ドローンは風の魔法で破壊された。


「殺すな!」


 風魔の魔王が現れ、ゴブリンたちに命令を下した。


 やがてレンジャー部隊と逃亡中の男は捕らえられた。



 ***



【司令室】

【魔法のランナー旅団本部】

【フェブルタウン 、ルナ王国】

【310年】

【08:00】


「サラ司令官! 自衛隊から連絡が入りました」


「連絡の内容は?」


「ゴブリンに捕まったレンジャー部隊の救出に協力してほしいとの要請だ。 座標も教えてくれた」


「誰か空いている人はいる?」


「魔法のランナーのミキチが待機しています」


「レイラニ調整官に連絡してくれ」


「了解」


 サラ司令官は離島マップを見始めた。

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