第68話  南カリフォルニア三冠メダル

【ホテル】

【サンディエゴ】

【カリフォルニア】

【2024年5月10日】

【9:15】


 私はベッドに座ってスマートフォンでゲームをしている。一方、レイラニはベッドに座ってタブレットを使っている。


「ミキチ、どんなゲームしてるの?」


「ジェネレーション・インパクト」


「そう」


 レイラニはベッドから立ち上がって私の隣に座った。


「何か用?」


「もっとレースに参加しないとダメでしょ?」


「そうだよ」


 私はゲームを中断してレイラニを見た。レイラニはタブレットの画面を見せてくれた。


「ええっと、南カリフォルニア・トリプルクラウン・メダルシリーズを見つけたの」


「そのシリーズって何?」


「1年以内に3つのレースをすべて完走できれば、南カリフォルニア・クラウン・トリプルクラウン・メダルがもらえるの」


「3つのレースはどこで開催されるの?」


「3つのレースはサンディエゴで開催される」


「なるほど」


「興味ある?」


「うん!」


 私は興奮してうなずいた。


「最初のマラソンレースは1月に開催される。それに、このレースはボストンマラソンの予選レースでもあるんだ」


「ボストンマラソンの予選レース?」


「そう」


「レースの名前は?」


「カールスバッド・マラソン」


「レースが始まる前に、もっとトレーニングが必要だ」


「同感だ」


「他の2つのレースについてはどう?」


「他の2つのレースはハーフマラソンだ」


「なるほど」


「それと、ボストン予選レースにはロックンロール・マラソンという別のレースもある。場所はサンディエゴだ」


「ボストンマラソンに出場できるチャンスが2回あるのか?」


「ええ。でも、サンディエゴ以外のレースにも参加できますよ」


「なるほど」


「来年の準備を手伝いますよ」


 レイラニはウィンクして微笑んだ。


「ありがとう」


 レイラニはベッドに戻った。私はスマートフォンをいじり続けた。


 私の新しい副次的な目標は、南カリフォルニアクラウン・トリプルクラウンメダルを手に入れることだ。それに、ボストンマラソン予選にも挑戦できる。


 来年が楽しみだ。


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