第65話 ランニングストリーマー (7)

【ホテル】

【サンディエゴ】

【カリフォルニア】

【2024年5月8日】

【12:00】


 目を覚ましてランニング用時計を見た。時刻を見ると、4時間しか眠っていなかったことに気づいた。


 さらに回復メトリクスも見た。


【回復時間:28時間】


「回復状態が良くない。体がだるくて動けない」と思った。


 ふと気づくと、ベッドに誰かが座っていた。


 若い女性が挨拶をした。


「こんにちは」


 よく見ると、その若い女性はレイラニに似ていた。


「レイラニ?」


「はい」


 私はほっとため息をついた。


「すぐに私を見つけられたの?」


「ええ。銀行強盗の件を見たわ。それに、信号を再接続して、あなたのランニングウォッチのGPSを追跡できたの」


「なるほど。どうやって私の部屋に入ったんだ?」


「フロントであなたの奥さんだと言ったの」


「ああ」


「あなたの世話をし、回復を手助けするわ」


「ありがとう」


「昼食は何が食べたい?」


「スープなら何でもいいわ」


「わかった。 もう寝てていいよ。 あとで起こすから」


「ありがとう」


 私はベッドに戻って眠りについた。


 レイラニがすぐに私を起こした。 昼食はカップ麺を食べた。


 昼食後、レイラニはビタミン剤と水筒をくれた。


 その後も一日中、私は休んでいた。その間もレイラニは私の世話を続けてくれた。



【ホテル】

【サンディエゴ】

【カリフォルニア】

【2024年5月9日】

【8:00】


 目覚ましが鳴り始めた。ランニングウォッチのボタンを押してアラームを止めた。


 体調は完全に回復したので、回復状況を確認してみた。


【回復時間:0時間】


 レイラニも目を覚まし、ベッドから起き上がった。


「おはよう」


「おはよう」


「完全に回復した?」


「はい。体力も戻りました。ありがとうございます」


 レイラニは微笑んだ。


「よかった。次の行動を計画し始めないといけないね」


「了解」

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