第63話 ランニングストリーマー (5)

【東京】

【日本】

【2024年5月8日】

【24:30】


 複数の影矢を破壊された後、炎魔将は立ち止まった。そして、地面にポータルを召喚した。


「え?」


「遊んでやったんだ。またな!」


 炎魔将は手を振ってポータルを通り抜けた。


 レイラニはすぐに私に伝えた。


「ミキチ! 悪魔のポータルを通り抜けろ! 通信が途切れる! でも、見つけるから!」


「了解!」


 私の二振りの霊刀が手から消えた。


 そして、悪魔のポータルに向かって走り、通り抜けた。 ワームホールの中に入ると、青ではなく紫色だった。


 ***


【サンディエゴ】

【カリフォルニア】

【アメリカ】

【2024年5月8日】

【7:30】


 悪魔のポータルから出ると、自分が別の都市にいることに気づいた。 また、炎の魔王の姿も消えていた。


 私はランニング用の腕時計を見て自分の位置を確認した。 幸いフードが目にかぶさり、昼光で目が焼かれることはなかった。


【位置:サンディエゴ】


「待てよ。 ここはサンディエゴなのか?」


 また、ヘッドセットを使ってレイラニに連絡しようとした。


「レイラニ、聞こえるか?」


 レイラニは応答しなかった。彼女の言うとおりだった。悪魔のポータルが、私の通信信号を何らかの方法で妨害していたのだ。


「本社、聞こえるか?」


 本社も応答しなかった。私は完全に孤立していた。


 突然、通り向かいの銀行に突撃銃を持った覆面をした5人の男たちが近づいてくるのが見えた。彼らは窓ガラスを割って中に入っていった。


 私は魔法の力を持っているので、一般市民を救うために介入することにした。


 私は道路を渡り、銀行まで全力で走った。そして、武器の呪文を唱えた。


【呪文:スピリットカタナ】


「強盗だ!動くな!床に伏せろ!」


 銀行強盗が叫んだ。


 銀行の従業員は床に伏せた。


 銀行内に侵入した私は、次の呪文を唱えた。


【呪文:スモークスクリーン】


 煙が銀行全体を覆った。


「なんだ?誰が発煙筒を投げたんだ?」


 銀行強盗が叫んだ。


 奇襲をしかけようとしたその時、別の銀行強盗が私を見つけ、銃撃を始めた。


 私は魔法の盾を唱え、銃弾を防いだ。


【呪文:マジックシールド】


 弾丸を防いだ後、私はスピリット刀で銀行強盗のライフルを斬りつけた。


「ありえない!」


 私はスピリット刀の柄で強盗の頭を殴った。強盗は地面に倒れた。


「フードの謎の人物がいる!」


 別の銀行強盗が叫んだ。


 私は素早く走り、銃を斬りつけた。銃を斬るたびに、強盗を一人ずつ倒していった。


 強盗全員が倒れた後、煙が落ち着く前に銀行の外に走り出した。

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