第57話 魔法少女の異常性 (10)

【西港】

【シンガポール】

【2024年5月7日】

【11:00】


「ミッコ。 ちょっとあいつらを足止めしてくれない? 前回と同じ呪文を使うから」


「はい」


 ミッコは私の方向から走り去り、杖で2人のロードに向かってピンク色のビームを発射し始めた。


 シャドウ魔王とパープルロードは、自分たちを守るためにバリアを張った。


 その間、私は呪文を唱えた。


【呪文:スモークスクリーン】


「魔法のランナーが仲間を見捨てるのか?」


 紫の魔王が笑った。


「そうは思わないね。魔法のランナーを甘く見るな」


 影の魔王が答えた。


 私は次の呪文を唱えた。


【呪文:ライトニングカタナ】


 私の2本のスピリットカタナが2本のライトニングカタナに変化した。


 煙幕から飛び出し、2本のライトニングカタナで2人の魔王を斬りつけた。その間にもミッコは2人の魔王にピンクビームを連射している。


 しかし、影魔王は黒い剣を素早く出して、僕の斬撃を防いだ。それでも電撃は影魔王に命中した。


「ギャー!」


 影魔王と紫の魔王が叫んだ。ニ人とも地面にひざまずき、電撃が走っている。


「魔法のランナー!また会おう!」


 とシャドウ魔王は叫び、消えてしまった。


 腕時計が通知を知らせた。


【2000 EXP GAINED】

【魔法のランナーRANK SS】


 二人の魔王を倒して、二回もランクアップした。でも、新しい呪文は手に入らなかった。


 ミッコはすぐに杖で呪文を唱えた。


「マジックチェインズ!」


 呪文は、ピンク色の光る鎖を呼び出し、パープルロードを拘束した。 また、パープルロードは黙ったままである。


 パープルロードが拘束された後、クロちゃんが現れた。


「ミッコ。 私たちの世界に戻らなきゃ」


「了解」


 クロちゃんは、私に近づいてきた。


「ミキチ。 私たちを助けてくれてありがとう。 あなたにプレゼントをあげたいの」


「プレゼント?」


「はい。手を見せてください」


 私はクロちゃんに左手を見せた。すると、突然、私の手の上に魔法の紋章が現れた。


 数秒後、魔法の紋章は消えた。


「あの、魔法の紋章は何ですか?」


「助けが必要なときは、魔法の紋章がミッコを呼び出してくれるよ」


「なるほど。ありがとうございます」


 するとクロちゃんが地面にポータルを出現させた。ミッコが私に一礼した。


「ミキチ。ありがとう。また会えるといいな」


「うん」


 私は手を振った。


 ミッコはパープルロードを引っ張ってポータルを通り抜けた。クロちゃんもポータルを通り抜けた。


 私の特異点調査任務は終了した。

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