第54話 魔法少女の異常性 (7)

【ホテル】

【シンガポール】

【2024年5月7日】

【08:00】


 レイラニが私を揺り起こした。


「ミキチ、起きて。魔帝国が動き出したわ」


「今、白昼堂々?」


「ええ。西港で彼らの動きを衛星が感知したの」


「なるほど」


「私たちは西港の魔法少女と協力し始めるわ」


「朝食はどうする?」


「フードバーとプロテインシェイクのボトルがあるわ。急がないと」


 レイラニはフードバー数個とプロテインシェイクのボトルを私に手渡した。


 私は身支度を整えるためにバスルームに入った。いつものランニングウェアに着替えると、フードバーを急いで食べ、プロテインシェイクのボトルを飲んだ。


 食事を終えると、タクシーでウェストポートに向かった。レイラニはホテルの部屋に残った。



【ウェストポート】

【シンガポール】

【2024年5月7日】

【10:00】


 タクシーを降りると、女の子と黒猫がいた。 そして、その女の子が自分と似ていることにすぐに気づいた。


 女の子の外見は、黒いツインテール、黒い目、白いシャツに黒いショートパンツを履いている。


 そして、私は女の子に近づいた。


「おはよう。君が魔法少女?」


「はい。あなたは魔法のランナー?」


「はい」


 私たちは互いに見つめ合った。女の子も私の外見を見て驚いているようだ。


 私はさらに質問を続けた。


「ちょっと待って。私たちは血縁関係にあるの?」


「わからない」


「別の名前はある?」


「中丸ミッコが本当の名前」


「なるほど。私の本当の名前は中丸ミキチ」


 私たちはまだ困惑して見つめ合っていた。


 クロちゃんが話し始めた。


「ミキチ。ミッコはあなたの女性版だ。」


「どうしてわかったの?」


「サラ司令官と話していた。私たちは自分たちの次元についていくつかの情報を共有していた」


「なるほど」


 レイラニが3人に通信を始めた。


「ミキチ。性別が逆なのはともかく、あの子はあなたと性格が正反対ね。あなたは穏やかな性格。あの子は混沌とした性格」


「ああ」


 一方、ミッコはその会話をすべて聞いており、うなずいていた。


 自分の女性版と組むのは面白くなりそうだ。

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