第53話 魔法少女の異常性 (6)

【東港】

【シンガポール】

【2024年5月6日】

【21:00】



 レイラニがサポートチームと現れた。サポートチームのメンバーは戦闘現場の後片付けを始めた。


「ミキチ、大丈夫?」


 レイラニが心配そうな顔をした。


「うん」


「よかった」


「戦闘の目撃者はいた?」


「いいえ。サポートチームが一般人が見ないように隔離バリアを設置しました」


「そうですか」


 クロウがレイラニに自己紹介を始めた。


「レイラニコーディネーター。はじめまして。魔法少女エージェンシーのクロウです」


「はじめまして。サラ司令官からあなたのこと聞きました」


 魔法少女アヤも自己紹介を始めた。


「はじめまして。襲ってしまってごめんなさい」


「アヤ。ミキチに謝れよ」


 ブラックがアヤを睨みつけた。アヤは私の方を向いた。


「ごめんなさい」


「いいよ。こっちこそごめん。殺し合いそうになったから、おあいこ」


 私は頭を下げた。アヤも頭を下げた。


 その間、ブラックとレイラニは微笑んでいた。


 謝罪を済ませると、レイラニはブラックィに質問を始めた。


「ブラックィ。あなたとパートナーは寝る場所があるの?」


「いいえ」


「魔法のランナー旅団が喜んでホテルの部屋を用意するわ」


「ありがとう!」


 ブラックィとアヤは微笑んだ。


「どういたしまして。サポートチームのメンバーに案内してもらうわ」


 レイラニはサポートチームのメンバーを呼び、二人を案内させた。 二人が立ち去った後、レイラニと私はその場を離れた。


 ドローンもこちらに向かって飛んでくる。


 他のサポートチームのメンバーは戦場の後始末を続けていた。



【ホテル】

【シンガポール】

【2024年5月6日】

【22:20】



 ホテルの部屋に入ると、私はサポートチームのメンバーのことを考え始めた。


「レイラニ。地球には、もっと多くのサポートチームがいるようだね」


「ええ。私たちの足跡を消すために、地球にはもっと多くのサポートチームが割り当てられているの。私たちの存在を世界に知られたくないから。私たちは秘密組織なのよ」


「でも、異界世では秘密ではないの?」


「そう。異界世では、私たちの存在は秘密ではない。でも、軍事活動は秘密だ」


「なるほど。シャワーを浴びるよ」


「いいよ」


 私はシャワーを浴び、部屋着に着替えて歯を磨いた。レイラニもシャワーを浴びて着替えると、ベッドに横になった。


 突然、レイラニがベッドから立ち上がり、私のベッドに腰を下ろした。


「ミキチ、抱き枕が欲しい?」


「うん、お願い」


 私はレイラニの膝に頭を乗せた。レイラニは私の頭を優しく撫で始めた。


 私の目はうつろになっていった。


「おやすみ」


「おやすみ」

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