第49話 魔法少女の異常性 (2)

【ホテル】

【シンガポール】

【2024年5月6日】

【18:20】


 レイラニは警備員に記憶消去の呪文を使った。巨大な青い魔法陣が現れ、空に向かって上昇した。


 この瞬間は、私と同じだ。


「あの、また記憶を失うんですか?」


「大丈夫。今回は影響を受けないわよ」


 レイラニは笑った。


 数秒後、大きな魔法陣は消えた。 また、レイラニは警備員に記憶回復の呪文を唱えた。


「警備員の頭とピストルは回復した?」


「はい。 証拠を残したくないので」


「なるほど。 防犯カメラは?」


 レイラニはタブレット端末を見て画面をタッチした。


「録画映像は消去した。 私たちは普段着に戻らなければならない」


「了解」


【魔法のランナー解除】


 私の魔法のランナーの制服は普段着に変わった。 レイラニの魔法のランナーの制服も普段着に変わった。


 私は白いシャツに黒いズボンと靴を履いている。 レイラニは茶色のロングシャツに茶色のロングスカートと茶色のサンダルを履いている。


「ミキチ。警備員が起きる前に出発しよう。ホテルで確認する必要がある」


「了解」


 レイラニと私は裏路地から出てホテルの正面玄関に入った。

 ホテルのフロントでチェックインを済ませてから、ホテルの部屋に入った。部屋にはベッドが2つとキッチンカウンター、バスルームがある。


 レイラニは私に計画を説明し始めた。


「これから作戦を開始する。情報によると、悪魔帝国と謎のグループとの会合が今夜、港で始まる」


「なるほど」


「タクシーで港まで移動する。私はホテルの部屋で監視する」


「了解」


 レイラニは私にお金と小型のドローンを手渡した。


 私は私服に着替えてホテルの外へ出てタクシーに乗った。



【イーストポート】

【シンガポール】

【2024年5月6日】

【18:40】



 タクシーから降りて、さらに歩き、魔法のランナーのユニフォームに変身した。


[魔法のランナー起動]


 フードをかぶり、歩き続けた。小型ドローンを地面に置いた。ドローンが空中に飛び立った。


 レイラニがヘッドセットを通じて通信してきた。


「ミキチ。あなたのヘッドセットとドローンを通して視界を得ている。この港には防犯カメラはない」


「了解」


 私は港のコンテナによじ登り、横になった。そして、視力を高める呪文を唱えた。


【呪文:イーグルアイズ】


 私は会議の開始を待った。

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