第48話 魔法少女の異常性 (1)

【司令室】

【魔法のランナー旅団本部】

【フェブルタウン、ルナ王国】

【310年】

【08:00】


 レースから2日後、私はすっかり回復した。次の任務のブリーフィングを受けるため、司令室にいる。そして、魔法のランナーの制服を着ている。


 レイラニが説明を始めた。


「ミキチ。魔法のランナー旅団に大変な問題が発生しているの。地球のポータルバリアが一時的にひび割れ、魔帝国軍が侵入したのよ」


「えっ?」


「通常、魔帝国は小規模な部隊しか地球に送り込めないの。でも、今回は大規模な部隊を送り込んできたの。それに、地球では異変がさらに多く発生しているの」


「なるほど」


「君の任務についてだが、我々は異次元のポータル異常を感知している。そのポータルから、正体不明の集団が別の次元からやってきた。また、我々の情報によると、魔界帝国は、その謎の集団と交信しようとしているようだ」


「別の次元があるんですか?」


「そうだ。魔法のランナー旅団は、以前にも異次元の存在と遭遇している」


「なるほど。私はチームアジュールと一緒に行動するんですか?」


「いいえ。私と一緒に行く。異変はシンガポールで発生している」


「そうか。また君の調査能力が必要になるな」


「はい」


 レイラニはうなずいた。


「装備の準備をしておく」


「あと、普通のバックパックも必要だ。そこで寝泊まりすることになる」


「了解」


 私はその後、物資室に向かった。



【魔法のランナー旅団本部】

【フェブルタウン、ルナ王国】

【310年】

【08:20】


 準備を整え、レイラニと外に出た。二人ともフードを被った。


「ミキチ、準備はいいか?」


「はい」


 レイラニがタブレットを操作すると、地面にポータルが出現した。私たちはポータルを通った。



 ***


【ホテル】

【シンガポール】

【2024年5月6日】

【18:00】


 レイラニと私はポータルから出た。そこはホテルの裏路地だった。


 しかし、私たちを見つけた警備員がいた。警備員はピストルを取り出した。


「動くな!」


 レイラニと私は手を上げた。


「お前たちは誰だ?」


 警備員が尋ねた。


 レイラニが私に攻撃する合図をした。私は警備員に向かって走った。


 警備員が私に向かって銃を発射した。しかし、私はすぐに魔法の盾を張った。


【呪文:シールド】


 私の魔法の盾が銃弾を防いだ。


「え?」


 警備員は驚きの声を上げた。警備員が再び拳銃を発射する前に、私は警備員の頭を殴った。


 私のパンチの後、警備員は地面に倒れた。


 その間、レイラニは素早く周囲を見回し、ほかの人がいないことを確認した。彼女は安堵のため息をついた。


「ほかの人はいない?」


「いいえ。現場を片付けないと。記憶消去の呪文を使うわ」


「了解」

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