第41話 異世界でのトレーニングニーズ

【住宅街】

【魔法のランナー旅団本部】

【ルナ王国 、フェブルタウン】

【310年】

【10:00】


 朝食を食べ終えて、ふと気づいた。レースに向けたランニングのトレーニングを怠っているのは、戦闘任務に追われているからだ。このままではレイラニとの幼い頃の約束を果たすことができない。


「レイラニ。朝食、おいしかったよ」


 私は微笑んだ。


「ありがとう。私の料理を気に入ってくれて嬉しいわ」


 レイラニは微笑んだ。


「質問があるんだけど」


「何?」


「いつになったら戦闘任務から本当に解放されるの? ランニングトレーニングやレースに参加したいんだけど」


「なるほど。それと、子供の頃の約束を果たしたいんでしょ?」


「うん」


 私は頷いた。


「いい知らせがあるわ。次の任務はハーフマラソンよ」


 レイラニは親指を立てた。


「ハーフマラソン?」


「そうよ。他の魔法のランナーたちと競うの。それに魔法は使えないわ。普通のレースよ」


「賞品は?」


「上位の魔法のランナーにはメダルが贈られるし、給料も上がるわ」


「完走メダルはあるの?


「もちろん。レースにはコースも給水所も用意されているわ。


「すごい」


「魔法のランナー旅団は、時折独自のレースイベントを開催しているの。それに、トレーニングやレースに参加する魔法のランナーには、勤務シフトの調整もできるわ」


「そうなんだ」


「魔法のランナー旅団のレース大会は大人気よ。観客も来るわ」


「なるほど」


「今日からトレーニングを始めますか?


 お願いします」


 私は手を合わせてお辞儀をした。


「あの、お辞儀はしなくていいですよ。応援しますから」


 レイラニは私から目をそらして赤面した。


「ありがとうございます」


「私はキッチンと食器の掃除をします。あなたはいつものランニングウェアに着替えてください」


「了解」


 私はそれから、いつものランニングウェアに着替えるために寝室に向かった。


 数分後、ランニングウェアに着替えた。私はグレーのタンクトップにグレーのショートパンツ、グレーのヘッドバンドとサングラスを頭に被っている。


 寝室から出ると、レイラニは掃除を終えていた。


「ミキチ。準備はできましたか?」


「はい」


 私たちは一緒にアパートを出て、一緒に歩いた。

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