第27話 ポータル異常レスキュー (3)

【司令室】

【魔法のランナー旅団本部】

【ルナ王国、フェブルタウン 】

【310年】

【09:00】



 司令室に入った。サラ司令官が私にブリーフィングを始めた。


 その間、レイラニはサラ司令官の隣に立っている。


「中丸ミキチ。君の任務は地球から来た男を救出することだ」


「その男性は魔法のランナーになる予定なのか?」


「いいえ。その男性は候補者リストには載っていませんでした。しかし、魔法のランナーになる条件を満たしていることが判明しました」


「なるほど。それはどうして起こったのですか?」


「我々の認識外で、地球に奇妙なポータルの異常が発生した。また、救出チームも派遣した」


「チームはどうなった?」


「手下の悪魔に待ち伏せされた。通信が途絶えたため、彼らが生存しているかどうかはわからない」


「そうですか」


「君は荒野のジャングルに派遣される。そこは中立地帯だ。しかし、大軍事同盟と魔帝国は現在、大規模な戦闘を行っている」


「ちょっと待って。私が戦場を走るの?」


「はい」


 サラ司令官はレイラニと向き合った。レイラニはうなずいた。


「私はこれで失礼する。レイラニが引き続き説明を続ける」


「了解」


 サラ司令官は私たちの会話から離れた。


「ミキチ。今回のミッションでは、君は単独行動ではない。エリーとミアが新しく結成された遠征チームに参加する」


「なるほど」


 突然、エリーとミアが現れた。二人は手を振っている。


 私も手を振り返した。


「チーム名は何にする?」


「チーム・アズール」


「了解」


「準備を始めてくれ。荒野のジャングルは湿度が高く、雨が降るだろう」


「了解!」


 エリー、ミア、そして私は返事をした。そして私たちはサプライルームに向かった。



【補給室】

【魔法のランナー旅団本部】

【ルナ王国、フェブルタウン 】

【310年】

【09:30】



「ミキチ、これは何だい?」


 エリーがアイテムを指さした。


「ああ、私たちのランニングウェアを知らないのね」


「ええ、私はまだ何もかも勉強中なの」


 一方、ミアはハイドレーションベストを着用し、他のアイテムも手に取った。そして、彼女は私のところへやってきた。


「ミキチ。私はエリーを手伝うから、あなたは自分のことを心配して」


「地球に住んでいたの?」


「ええ。でも耳をふさいでいたわ」


「そうか、ありがとう」


 私はハイドレーションベストを着て、その他の必需品も持ち出した。


 準備を整えてから外に出た。



【魔法のランナー旅団本部】

【ルナ王国 フェブルタウン 】

【310年】

【10:00】


 要塞から出てくると、レイラニが待っていた。


「アジュールチーム。最初の任務は地球人の救出だ。2つ目の任務は、行方不明の探検隊の調査だ」


「了解!」


「ミキチ。追加でランニングウォッチとヘッドセットを渡す。地球人が魔法のランナーになりたい場合は、ランニングウォッチとヘッドセットを渡してくれ」


「了解。もし彼が魔法のランナーになりたくないと言ったらどうなる?」


「彼の記憶を消して地球に帰す必要がある」


「なるほど」


「みんな準備はいいか?」


「はい!」


「ポータル起動。通過してください」


 目の前の地面にポータルが出現した。私たちはポータルを踏み、通り抜けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る