第25話 ポータル異常レスキュー (1)

【司令室】

【魔法のランナー旅団本部】

【ルナ王国の寓話タウン】

【310年】

【14:00】


 サラ司令官が小説を読んでいると、コーディネーターがアナウンスした。


「コードイエロー!ポータルに異常発生!地球からの民間人を感知した!」


 サラ司令官は急いで小説をテーブルに置いた。


「どうやってその人物を感知したんだ?」


「衛星が彼らのスマートフォンの信号をキャッチした」


「その市民がいる場所の近くをパトロールしている遠征隊はいるのか?」


「はい!」


「すぐにその人を救出するチームを派遣してくれ」


「了解!」



 ***



【荒野 ジャングル】

【中立地域】

【310年】

【14:30】


「本部!こちらグリーン探検隊。地球人を発見した!」


「了解!」


 探検チームは人物に近づいた。その人物は金髪に青い目、普段着を着た若い男性だった。


「ここはどこだ? 君たちは誰だ?」


 チームリーダーが青年に答えた。


「ここは別の世界だ。ポータルに遭遇したか?」


「はい。街中を走っていたら、突然ポータルが現れて、吸い込まれたんです」


「なるほど。私たちは魔法のランナー旅団と呼ばれている」


「魔法のランナー旅団?」


「説明する時間はない。あなたのスマートフォンの信号を感知し、助けに来たんだ」


「地球に戻れるのか?」


「はい。私たちについてきてください」


「わかった」


「待ち伏せだ!」


 突然、ミニオンデーモンが現れ、探検チームに襲いかかってきた。魔法のランナーたちは魔法の盾を展開し、攻撃呪文を唱えた。


「本部だ!攻撃を受けている!」


「こちら本部。最優先事項は民間人を連れて脱出することだ」


「了解!」


 チームリーダーは部下たちに走る合図を送った。そして、一般人の腕を掴んだ。


「走れるか?」


「はい」


「行こう」


 探検チームは一般市民とともに走り出した。


 しかし、反対側からミニオンデーモンが現れた。彼らは探検チームを包囲した。


 チームリーダーはすぐにその一般人を茂みに押しやった。


「そこに隠れていて」


 男はうなずくと、恐怖で震え始めた。


「ギャー!」


 魔法のランナーが後ろから火の玉を食らって悲鳴をあげた。彼は地面に倒れ込んだ。


「仲間が倒れた!」


 生き残った4人の探検隊員は、死闘を繰り広げた。



 ***



【指令室】

【魔法のランナー旅団本部】

【ルナ王国のファブルタウン 】

【310年】

【14:40】



「サラ司令官! 私たちの探検隊が全滅した」


「状況コードをレッドに変更。地球から来た民間人が、悪魔帝国にとって非常に重要なターゲットとなった」


「了解!ステータスをコードレッドに変更!」


 サラ司令官は次に何をすべきか考え始めた。

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