第21話 ゴースト泥棒 (10)
【森林面積】
【ローズシティ、ルナ王国】
【310年】
【14:00】
「信じられない! 魔法のランナーになったのね!」
「はい」
エリーは武器の呪文を唱えた。彼女の手には2本のスピリットダガーが現れた。
そして、彼女は風魔神に攻撃を開始した。しかし、風魔神は空中に飛び去ってしまった。
その間、私は2人の捕虜と一緒に木の陰に隠れている。レイラニがエリーと私に話しかけ始めた。
「ミキチ、エリー。二人には作戦がある。エリーは風魔神を足止めする。ミキチは捕虜二人を私に引き渡す」
「了解!」
「レイラニ、今どこにいる?」
「2キロメートルまで南に向かって走れ」
「了解」
私は捕虜2人に計画を打ち明けることにした。よく見ると、2人とも茶色の髪と目をしている。また、町着のような服装をしている。
しかし、2人とも腕を鎖でつながれたままだった。
「こんにちは。あなたたちを安全な場所まで連れて行かなければならない」
「わかった」
彼らが了承してくれたので、私は母親を腕に、少女を背中に乗せて運んだ。
「お嬢ちゃん、私の背中にしっかりつかまってくれるかい?」
「うん!」
「行こう」
中程度のスピードで走り始め、自分のランニングペースを確認した。
【ペース:7:00】
【距離:0km】
【移動時間:1:00】
【心拍数:85 BPM】
10分走ると、2km地点に到達した。
【ペース:7:00】
【距離:2km】
【走行時間:10:00】
【心拍数:105 BPM】
レイラニが待っていてくれたのがすぐにわかった。
「よくやった」
「ありがとう」
私は捕虜たちをそっと床に降ろした。レイラニは彼らの鎖にディスペルを唱え始めた。
「私が彼らを守る。あなたはエリーのもとへ戻ってもいい」
「了解」
「それと、このエネルギージェルも持っていきな」
レイラニは私にエネルギージェルを渡した。私は1つのエネルギージェルを食べ始め、残りのエネルギージェルをウエストポーチに入れた。
「ありがとう」
それから私は小走りで戻った。
【ペース:4:00】
【距離:2km】
【移動時間:10:00】
【心拍数:90 BPM】
5分後、私はエリーと合流した。エリーは走りながら、風の魔王の攻撃をかわしていた。
私はエリーに伝えた。
「エリー、計画がある」
「どんな計画だ?」
「風魔神をひきつけ続けることはできるか?」
「はい」
「俺は風魔神の後ろから攻撃する」
「了解」
それから木々のところまで走っていき、隙をみて攻撃するチャンスを待った。
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